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ビジュアル音楽堂

ハーピスト吉野直子が紡ぐフランス近代音楽

2018/4/7

 ハープ奏者の吉野直子さんが3月、フランス音楽に特化した演奏会を開いた。ドビュッシー没後100周年の今年、フォーレ作品の独奏を交えながらフランス近現代音楽の魅力を語る。2015年のデビュー30周年を機に自主レーベルのCD制作に注力している理由も聞いた。

 3月9日、フランス印象主義音楽の開祖クロード・ドビュッシー(1862~1918年)の名曲「アラベスク第1番」が東京・銀座のヤマハホールで奏でられた。比較的小規模な同ホールがアラベスク(アラビア風唐草模様)の夢幻のイメージに包まれる。原曲はピアノ作品だが、この夜のステージは様相が異なる。ピアノよりも柔らかくしなやかな音が紡ぎ出される。吉野さんがハープを独奏しているのだ。

フランスのハーピスト兼作曲家ルニエの孫弟子

 「吉野直子の室内楽~ハープで織り成す近現代フランス音楽の世界」と題された演奏会。ドビュッシー没後100周年にふさわしくその冒頭を飾った「アラベスク」は、フランスの女性ハープ奏者で作曲家のアンリエット・ルニエ(1875~1956年)の編曲による。「私はルニエの孫弟子」と吉野さんは言う。彼女が米ロサンゼルスで幼少時から師事したスーザン・マクドナルド氏はルニエの弟子だ。「ハープを熟知している名手が名曲を残している。特にルニエはオーケストラが鳴っているようなスケールの大きいハープの曲を書いた。私が大切にしている作曲家だ」と話す。

 演奏会では続いてフランス近代音楽を代表するガブリエル・フォーレ(1845~1924年)の「即興曲変ニ長調作品86」を吉野さんが独奏した。フォーレが書いたハープ独奏曲2曲のうちの一つ。「ハーピストなら誰でも弾く名曲。ハープは華やかで優雅なイメージがあると思うが、それだけではない。強さや繊細さなどいろんな音の世界を持っている。そうした豊かな音色を1曲ですべて表現している優れた曲。私も10代初めからずっと弾いてきた」と絶賛する。今回の映像では3月8日の同ホールでのリハーサルで吉野さんがこの曲を練習する様子を捉えている。

 9日の演奏会は他のメンバーとのフランス室内楽の共演へと進んでいった。吉野さんが長年共演してきたビオラの川本嘉子さん、フルートの佐久間由美子さんの2人に加え、バイオリンの成田達輝さんと小川響子さん、チェロの伊東裕さん、クラリネットの吉田誠さんの若手4人。6人とも「今まさに素晴らしい活躍をしている演奏家ばかり」と言う豪華な顔ぶれだ。

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