規制の岩盤に風穴 子育て事業、家族への愛が原点にポピンズ 中村紀子会長(下)

保育にしろ、介護にしろポピンズが現在、手掛けるサービスをたどると家族への愛にたどりつく。

教育ベビーシッターであるナニー事業に参入したきっかけは愛する娘のためであり、介護もまた脳梗塞で倒れた私の父や末期がんで亡くなった母のケアを経験したからこそ生まれたサービスです。私自身、仕事に追われ、両親のそばにいられるのは週末など限られた時間しかありませんでした。

一人娘の轟麻衣子ポピンズ社長(右から2人目)と

仕事と育児や介護の両立ができたのは、信頼できるナニーさんや介護スタッフがいてくれたからこそです。ポピンズは「お客様の要望に100%応えるサービス」をモットーにしています。ケアスタッフにも丁寧な言葉遣いや身だしなみ、振る舞いに気をつけて、と注文するのは単なるヘルパーとは違うと思っているからです。

ナーサリースクールを舞台に取り組んでいる「エデュケア」や海外展開をさらに強化・推進していくという。

エデュケアとはエデュケーション(教育)とケア(保育)を合わせた造語で、子どもの豊かな感性や知力、創造力を引き出す取り組みです。文部科学省所管の幼稚園に比べ、福祉の観点から設置された保育所は「教育がおろそか」と懸念する声を耳にします。ポピンズのエデュケアの内容は幼児教育の分野で最先端をいく米ハーバード大やスタンフォード大の研究者らと共同研究を重ねながら積み上げてきたものです。書き初めをしたり、散歩の途中で拾った落ち葉の表面に絵の具を塗り、紙にこすりつけて版画のような作品に仕立てたり。ですから、ぜひご心配なく、と保護者の方々には申し上げたいですね。

現在、海外の拠点はハワイに1カ所「キッズルーム」があるだけですが、今後、さらに増やしていきたいと思っています。これまで海外の保育施設などを数多く視察してきましたが、ポピンズのノウハウは海外でも十分通用すると思うからです。保育士不足といった課題があるのも確かですが、女性が働き続けるために提供すべきサービスやその質の向上はまだまだ開拓の余地があると思っています。これからも社長に就いたばかりの娘と二人三脚で頑張っていこうと思っています。(堀威彦)

「なぜダメなの?」からすべてが始まる ポピンズ30年の軌跡

著者 : 中村 紀子
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : ¥ 1,836円 (税込み)

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