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キャリアの原点

局アナから起業家へ 子育ての苦労をビジネスに ポピンズ 中村紀子会長(上)

2018/4/7

そのころ仕事をしている女友達と会うと、決まって飛び出すのが会社や上司の愚痴や悪口。では「あなたは何か変えようと努力しているの」と聞いても、なかなか答えは返ってこない。社員の見えないところでしっかり努力している経営者に倣い、女性たちにもそんな勉強会の場が必要では、とひらめいたのです。

それが形になったのが1985年発足の「日本女性エグゼクティブ協会(JAFE)」だ。

米国に「NAFE」という女性経営者の協会があると知りました。では日本の略称は「JAFE」に、とすぐ決めました。初会合には企業や官庁に勤める約300人の女性が顔をそろえてくれました。

JAFE発会式で、石本茂・環境庁長官(当時)と

JAFEのメンバーの実態を調べてみると、大半が独身。働くママはさらに少数派で、実家におんぶに抱っこ状態で何とか働いている姿が浮かび上がったのです。苦労した自分自身の経験が蘇ってきました。ならば、とまたひらめいたのが会員向けのベビーシッター派遣サービスでした。

それが後のポピンズのサービスへとつながっていく。

英国ではベビーシッターをナニーと呼び、専門の養成機関まであります。単なる子守ではなく、ちゃんと子供の教育なども担うのです。でも当時は日本では「ナニーって何?」。そこで「教育ベビーシッター」として人材募集をかけました。

当時の女子大生ブームにあやかり、有名女子大生に声をかけ、研修を受けてもらい派遣するようにしましたが、やはり学生の本分は勉強です。会員から派遣要請があっても、やれテストだ、就活だなどの理由で休む。卒業したらしたで、辞めてしまい、ノウハウの継承すらままなりませんでした。

仕方なく戦略を転換、今度は幼稚園や保育所、さらには銀行や商社に勤務した経験のある子育て経験者らに呼びかけ人材を募集するようにしたのです。結果的にそれが吉と出ました。経験者ならではの安定感が利用者の信頼を呼び、上質なサービスへとつながっていったのです。(堀威彦)

「なぜダメなの?」からすべてが始まる ポピンズ30年の軌跡

著者 : 中村 紀子
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : ¥ 1,836円 (税込み)

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