3点目は、かかとからしっかり着地することだ。爪先をすねのほうに立てるのがポイント。かかと着地を意識することで自然に膝が伸び、歩くたびにふくらはぎの筋肉が伸びたり縮んだりを繰り返す。すねやふくらはぎの筋肉が弱まるとつまずきの原因にもなるので、トレーニングをしておきたいポイントだ。また、ふくらはぎの筋肉を使うと、足から心臓への血液循環が促進されるのもメリット。「足のむくみの解消などにも有効」(園原氏)という。
気になるトレーニングに必要な歩数だが、園原氏は「1日に1000歩程度でも筋トレ効果が十分期待できる」と言う。ウオーキングの目安として「1日1万歩」とよくいわれるが、ハードルが高く挫折する人も少なくないはず。1000歩なら普段の歩行を「置き換える」だけで済むので続けやすい。試してみると、数日でコツがつかめ、姿勢の改善に加えて歩行速度も自然とアップ。内転筋が締まるのが体感できた。
慣れると、地面からの反動を効率的に利用でき、長距離の歩行がむしろラクに感じられるようになる。筋肉を鍛えながら歩きやすくなる一石二鳥のウオーキングといえる。
園原健弘さん
「ラバ・チューブ」代表、ウオーキングプロデューサー。1992年のバルセロナ五輪に競歩で出場。『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』(きずな出版)など著書多数。
