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「データ分析が新技生む」 体操革命、具志堅氏の予言 体の動きに加え、呼吸や鉄棒のしなりも目安に

2018/4/18

インタビューに答える具志堅幸司氏(東京都世田谷区の日体大で)

 体操の競技団体である日本体操協会(東京・渋谷)は富士通と組み、審判を支援する技術の共同開発に取り組んでいる。レーザー光による3D(3次元)センサーで選手の動きを数値データに置き換え、正確な採点につなげようという試みだ(詳細はこちら)。そうして蓄積したビッグデータは体操競技をどう変えるのか。同協会の副会長で、1984年のロサンゼルス五輪の金メダリストでもある具志堅幸司氏(日本体育大学学長)に聞いた。

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■審判の目に見えない内村選手のひねり

体操の技の進化は著しい(リオデジャネイロ五輪で床の演技をする内村航平選手)

 ――これまで体操競技は人の目で採点してきました。なぜ今、テクノロジーが必要なのですか。

 「内村航平選手の床の『2回宙返り、3回ひねり』が、審判の目に見えない場合があります。『2回宙返り、2回ひねり』と誤ってしまい、後からビデオで見て修正する。それくらい、ひねりが早いのです。(テレビで見ている一般の観客は)家庭にいながら、審判が間違えたものを正確に見ることができるというのも、テクノロジーですよね」

 ――テクノロジーの力を借りなければならないほど、技が高度になっているということですね。将来、体操の審判は機械に置き換わるのでしょうか。

 「そうなるかも分かりません。いいか悪いかは別として、可能です」

 ――体操の審判には、技の難度を判定するDスコアと、それが正確で美しかったかを判定するEスコアがあって、その掛け合わせで点数が決まります。機械が担うとすればどちらでしょうか。

 「Dスコアは(機械の方が)はっきりしますね。Eスコアは人間が見ればいい。でも体の角度がいくつだったら0.1減点、いくつだったら0.3減点というように(機械に)インプットさせておけば、Eスコアも機械がやるようになるかもわかりません。個人的には好みませんけどね」

 ――テクノロジーの導入は審判にとどまらず、体操競技そのものにも影響を与えますか。

 「体操競技の発展を振り返ってみると、2つの要素がありました。ひとつは機械器具の改良が進んだことです。たとえば前回(1964年)の東京五輪のときの床は、いわゆる普通のじゅうたんで、3回宙返りはできませんでした。今はバネ(反発力)があるので可能です。鉄棒のバーも我々のころよりしなりますから、3回宙返りも楽にできます」

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