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キレイなだけでは通用しない 出世する「論理力」とは 20代から考える出世戦略(30)

2018/4/3

「きれいだけど浅い論理」は誰も幸せにしない。写真はイメージ=PIXTA

前回の「説明力」で示したように、相手を自発的に行動させることができなければ、それはただの自己満足です。説明でもなんでもありません。同じことは「論理力」についても言えます。正しい道筋で考えて正しい結論を導くのは、論理力で言えば基礎レベルです。そして基礎レベルの力だけをふりかざしてビジネス社会で戦えば、むしろ返り討ちに合うことばかりです。基礎レベルを超えた「論理力」とはどういうものでしょうか。

■表面的にきれいなロジックにまどわされない

私の仕事は人事制度を設計し、運用することなので、クライアントは基本的に企業です。その時に依頼されることは例えば「今の評価・報酬制度は導入してからもう10年ほどになる。従業員からの不満の声も聞くので改善してほしい」ということだったりします。

さて、ではこのときに「論理的に正しい」解決策はなんでしょう? そもそも解決すべき課題はどこにあるのでしょう?

たとえばこの場合に解決すべき課題を「従業員の不満」ではないか?と仮説設定したとします。その仮説に基づき調査を進めると、その裏付けとなる情報がどんどん集まります。

従業員満足度を調べてみれば、評価への納得性、報酬決定の公平性に対する点数が極めて低かったりします。キーパーソンとなる方々にインタビューしてみれば、やはり評価や報酬に対する不満の声が聞こえてきます。

なるほど、やはり仮説は正しかった。だから「従業員の不満」を解消するための解決策を提案しようとして、いざ経営層に提案するとどうなるでしょう。

私がまだ20代の頃。人事制度設計を手掛け始めた初期に、このような解決策を提案しようとしたことがあります。しかし幸いにも、当時の上司に強く止められて、結果として別の提案をしました。

当時の上司は私にこう言いました。

「どんな人事制度にも従業員の不満は必ずある。だからその不満の解消を解決策として出したくなる気持ちはわからなくもない。けれどもそれは結局、どんな会社のどんな状況においても『従業員の不満』が課題だと示してしまうことにもなる。で、もしそれが解消されたら、誰が喜ぶのかな?」

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