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エイリアン? 謎のミイラの正体が判明、遺伝子が変異

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/4/7

ナショナルジオグラフィック日本版

体長15センチのミイラ「アタ」は、チリのアタカマ砂漠で発見された(PHOTOGRAPH BY EMERY SMITH)

ミイラ「アタ」の身長はわずか15センチで、円すい形になった頭部と、サイズのわりに硬すぎる骨格をもつ。そのためこれを、エイリアンのミイラだと主張する人もいる。しかし、このほど学術誌『ゲノム・リサーチ(Genome Research)』に発表された研究は、エイリアン説が誤りであることを改めて証明しただけでなく、この不思議な姿かたちの理由も科学的に明らかにした。

論争は、2003年にチリのアタカマ砂漠のゴーストタウンの近くで、自然にミイラ化したアタの遺体が発見されたことで始まった。スペイン人の実業家ラモン・ナビア=オソリオ氏がこのミイラを購入し、2012年にはスティーブン・グリア医師がX線とCTスキャンにより骨格を調べた。

グリア氏は「UFO、地球外知的生命体、秘密の先進エネルギーや推進システムに関する情報の公開を促すために活動」する組織「ディスクロージャー・プロジェクト(The Disclosure Project)」の設立者だ。

アタの身長はヒトの胎児ほどしかない。しかし、画像を分析したX線技師は、アタの骨は6歳児並みに成熟していると指摘した。

グリア氏はこのとき、アタの骨髄のサンプルを米スタンフォード大学の免疫学者ギャリー・ノーラン氏にも提供した。ノーラン氏のチームはアタのDNAの塩基配列を調べ、その遺伝物質がエイリアンではなくヒトのものであると結論づけたが、小さなアタの異様な姿を説明することはできなかった。

ノーラン氏は、「ヒトであることがわかったら、次は、なぜこのような姿になったのかを解明しなければなりません」と言う。

■7つの変異

ノーラン氏は、スタンフォード大学の遺伝学者やカリフォルニア大学サンフランシスコ校の計算生物学者アチュール・ビュート氏のチームと協力して、アタのゲノムを分析した。今回の研究によると、アタの7つの遺伝子に変異が見られ、それらはすべて成長に関わる遺伝子であったという。ノーラン氏は、これらの変異の組み合わせが、骨の異常な成熟をはじめとするアタの深刻な骨格異常を引き起こしたと考えている。「おそらくアタは死産であったか、生後すぐに死亡したのでしょう」

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