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新任女性役員2人、仕事への思い&モットーを聞く

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NIKKEI STYLE

新年度を迎えた。トヨタ自動車が役員に生え抜きの女性を初めて起用するなど、女性の活躍が広がる。働き方が多様化するなか、一般職から総合職に転換したり、転職したりしてキャリアを積むことはもはや当たり前。今春、役員に初めて就いた女性2人を追った。

 ◇   ◇   ◇

気張らずありのまま 東京海上日動執行役員・森美和子さん

東京海上日動火災保険の執行役員に1日就任した森美和子さん(54)は傷害保険などの分野で、事務処理や新商品の開発を担う本店損害サービス第二部の責任者だ。森さんは「ありのままの自分で仕事に接したい」と控えめ。それは、約5年前に初めて本社の部長になってから経験したことがきっかけだ。

2013年、管理職が参加する会議でのこと。参加者は男性ばかりだった。どことなく「みんなが立派に映った」と森さん。「論理的に意見を言わなくては」。焦りを感じて、会議での発言は空回りしてしまった。

苦悩するなか、職場の人に相談すると「そもそも会議は多様な意見があってこそ。自分の意見を素直に言えばいい」と助言を得た。「ありのままで」。その頃ヒットしていた映画「アナと雪の女王」のキャッチフレーズが心の中にすっと入ってきた。以来、その言葉がモットーだ。

1984年、一般職として入社。当時は出世など考えていなかった。何となく「寿退社するのかな」と思っていたが、いざ結婚した時は目の前の仕事がちょうど面白くなってきていた。入社以来約30年間、自動車保険一筋だ。

ある日、ビル解体の現場で自動車事故が起きた。現場はフェンスで囲われ、目撃者がいる可能性は低い。契約者の言い分を基に案件を解決しようとすると、上司からこう言われた。「ちゃんと自分の足を使って確認したのか」

現場に何度も通った奔走の結果、やっと目撃者を発見。事故が契約日よりも前に起きていたことが分かった。「自分で確認する必要性を痛感した」。自動車保険を深く勉強したいと思い05年、全国への転勤を伴う総合職に転換した。名古屋や金沢などで要職に就き、単身赴任の生活は延べ約10年にも及ぶ。

損害保険業界は車の自動運転の技術が急速に進歩し、そのあり方が問われている。森さんの今の職場は約350人。大所帯だからこそ、社員ら一人ひとりの声を拾い、発想を生かせる仕組みづくりが必要だと感じている。

 「チームの能力を生かすようなマネジメントを心がけたい」。JFEエンジニアリングでこの4月から初の女性執行役員となった馬場久美子さん(52)は抱負を語る。新卒で入社した東芝では、コンピューターの基本ソフト「ウィンドウズ95」導入を巡る米マイクロソフトとの交渉をはじめ、海外企業との契約業務に長く携わってきた。

役割、自分で考える JFEエンジ常務執行役員・馬場久美子さん

JFEエンジに転職したのは14年4月。廃棄物発電プラントなど、循環型社会に貢献する事業に関わりたいと思ったからだ。入社早々、インドのエンジニアリング拠点買収と、ドイツのごみ処理・発電プラント大手企業買収の交渉を担った。

数百ページに及ぶ英文資料を読み込み、相手企業の経営陣や従業員と対話を重ね、成功に貢献した。「相手の話に耳を傾け、買収後の姿を共有することが大事」。多くの契約をまとめてきた経験は新天地でも生きた。

2人の子どもの母親でもある。「仕事の段取り能力は子育てで身につけた」と話す。女性の総合職採用が少なかった1989年に東芝に入社し、2年目で長女、5年目に長男を出産した。出産、育児休業は合計約2年半とった。保育園の迎えのため午後5時に退社する毎日は目まぐるしかったが「何とかなる」と仕事にも子育てにも励んだ。

「チームの中で何をなすべきか自分の頭で考える」がモットー。仕事ぶりが見込まれ、グループ長や部長などを任される。法律知識を身につけようと慶応大法学部の通信教育課程を卒業。クラウド関連の新規ビジネスを指揮した。

JFEエンジでは人柄と経験が買われて海外統括本部戦略企画部長と経理部長を歴任。今は経理担当執行役員として会社全体の事業を支える。「自分が会社や社会のために何ができるかを考えながら、目の前の判断を積み重ねればキャリアは後からついてくる」。周囲から寄せられる馬場さんへの信頼は厚い。

 ◇   ◇   ◇

高まる期待も窮屈さもなく ~取材を終えて~

「女性だからと気負うことはない」。今回取材した2人は共通してそう話した。安倍晋三首相が経済界に「上場企業は女性取締役1人以上の登用を」と要請するなど、「女性役員」に対する期待はこれまで以上に高まっている。女性だからと注目を受け、会社の看板を背負うことは窮屈ではないか。そう思ったが、当人たちは至って自然体なのが印象的だった。

日本は確かに女性活躍が遅れている。「日本からも、ようやく女性が来るようになったんだね」。JFEエンジニアリングの馬場さんは各国のトップ企業の幹部候補生が集まる米ハーバード大研修に参加した際、参加者からこう声をかけられたという。

日本の上場企業の女性役員の割合は3.7%(2017年)にとどまり、先進国のなかでも低さが際立つ。いつか女性役員の就任が注目されない日が来ることこそ、女性活躍が実現した日なのだと思う。

(岩本圭剛、安原和枝)

[日本経済新聞朝刊2018年4月2日付]

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