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朝すぐ・昼さっと・夜しっかり 歯周病を防ぐ歯磨き術

日経Gooday

2018/4/15

 まずQ1についてだが、答えは「×」。歯ぐきからの出血は、最も分かりやすい歯周病のサイン。また前述した通り歯周病菌は、血液中の成分を栄養にして増殖し、毛細血管へと入り込んで「菌血症」を引き起こすので、放置は厳禁。ここでしっかりケアをしておくことが大切だ。

 「比較的軽い段階の歯周病であっても、歯ぐきが炎症を起こし、歯周病菌が毛細血管から入りやすくなることには変わりはありません。歯周病や菌血症が怖いのは、慢性炎症が起きていても、痛みなどの自覚症状がないこと。出血は危険を知らせるサインだと知って、まずは正しい歯磨きをしっかり行っていきましょう」(佐藤さん)。正しい歯磨きのポイントについては、この後に解説する。

 Q2「毎食後に歯を磨いていれば、歯周病は進行しない?」の答えは「△」。単にこまめに磨けばいいというものではない。

 「歯磨きで何を取る?と聞くと、食べカスと答える人が多いのですが、歯周病予防の意味で本当に意識して取るべきは細菌であり、歯垢(しこう)です」。こう佐藤さんも話す通り、歯周病予防のポイントは、日々の歯磨きで細菌の塊「プラーク(歯垢)」を取り除くことだ。

 歯周病は口腔内の細菌の種類、体の抵抗力、生活習慣などが絡み合って発症、進行する。歯を毎食後に磨いていても、やり方が間違っていれば、口内環境が悪化する可能性がある。重要なのは、プラークをしっかりと除去し、悪玉菌を定着・増殖させないことだ。

 佐藤さんによると、プラークが残っていると数日で石灰化し始めて歯石となり、通常の歯磨きでは取り除けなくなる。1日に数回磨くうちの1回はプラークを取り除くための「しっかり歯磨き」を実践しよう。

【プラーク除去のための正しい歯ブラシの動かし方】

 歯周病の原因は、まさにプラーク中の歯周病菌による感染。よって、正しい歯磨きのターゲットは、プラークとなる。前述の通り、プラークを放置し歯石になってしまうと、歯ブラシでは取れなくなる。だから、プラークができたばかりのときに、バラバラに壊す必要がある。歯周病菌は酸素が苦手だ。プラークをかき壊し空気に触れさせるような気持ちで磨いていこう。

 ただし、強くブラッシングしすぎると、歯肉に傷がつき悪い菌が血管へと入り込む原因を作ることになるので注意したい。歯ブラシに加えて、デンタルフロスや舌ブラシを使って歯と歯の間や舌の上にいる菌を取り除けば、悪玉菌をコントロールできるレベルが格段に上がる。道具選びや使い方は、歯科医院でアドバイスを受けるのも一案。歯ブラシの動かし方のポイントは以下の2点だ。

●ポイント1 歯ブラシを歯と歯肉の境目に当てる

 プラークがあるのはその場所のため。歯ブラシを当てる角度は45度ぐらい

●ポイント2 歯ブラシを細かく動かす

 歯2本分ぐらいの間で、歯ブラシを細かくソフトに震動させる

【朝の歯磨きは「朝食前」が理想的】

 朝・昼・夜と、どのように磨いていくかも重要なポイントだ。まず、寝ている間は菌が増殖しやすいので、最低限、寝る前と起床時には歯を磨きたいところ。「1日1回の『しっかり歯磨き』を朝やるか夜やるかは、どちらでも構いません。朝は何かと忙しいでしょうから、夜のほうが丁寧にできるかもしれませんね」(佐藤さん)

 しっかり磨きを1~2週間続けても、歯肉からの出血があったり、歯肉の腫れや歯のぐらつきなどがあったりする場合は、歯科医院で診てもらおう。また、喫煙や肥満などは歯周病進行を早めるともいわれている。歯磨きの見直しと併せて、生活習慣の見直しも行いたい。

(ライター 及川夕子、作図 増田真一)

佐藤由紀子さん
 日本大学歯学部卒業。ナグモ歯科赤坂クリニック副院長。歯の治療だけでなく美的治療、アンチエイジング、メンタル面も考慮した総合的な診療を行う同院で歯科カウンセリングを担当。日本アンチエイジング歯科学会理事。著書に「『口もと』をキレイにすれば120%美人に見える」(大和書房)

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