AAAの宇野実彩子 大人の恋愛、ソロで優しく歌う
男女6人組パフォーマンスグループAAA(トリプル・エー)の宇野実彩子が2月にソロデビューを果たした。デビューシングルの『どうして恋してこんな』は宇野のささやくような優しい歌声が印象的で、作詞も自身で手掛けた。今後もソロ曲のリリースを重ね、表現の幅を広げていきたいと意気込んでいる。
AAAは2017年1月にもう1人の女性メンバー伊藤千晃が卒業、秋には初の全国ドームツアーを開催して32万人を動員した。今年に入ってからも、各メンバーのソロ活動が活発化するなどめまぐるしい動きが続く。
「メンバーそれぞれが様々な人生経験を積みながら変化し、成長してきた集合体がAAAなんです。私のソロデビューもその1つだと思います」
これまでも女優としてNHKの朝ドラ『瞳』(08年)、『梅ちゃん先生』(12年)に出演するなど、積極的に活動を重ねてきた。今回のソロデビューは、「大きなきっかけがあったというよりは、自然な流れで決まったんです。昨年のドームツアーで1人ステージに立って歌ったことで、自分が表現したいことを形にしたい気持ちが強くなりましたね」と明かす。
表題曲『どうして恋してこんな』は過去の恋愛を振り返りながらも前向きに歌う大人のラブソング。宇野のささやくような優しい歌声が印象的なナンバーだ。
今作では作詞にも挑戦した。なかでも「君がくれた言葉だけ/その色のままでまだ強くなれるから」のパートはすぐに言葉が出てきたそう。自分の気持ちが素直に表れた一節だという。「今までの恋愛を思い返したときに、好きな人からかけてもらった言葉は今でも力や自信になっているんですよね。きっとそれは年齢や性別に関係なく皆さんに共感してもらえるんじゃないかなと」
メロディーについてもこだわったという。「洋楽と邦楽どちらのテイストも取り入れつつ、何よりもキャッチーなメロディーラインになるようにリクエストしました」。ミュージックビデオは、特別にニューヨークにまで行って撮影したそうで、「いろんな感情に揺れながらも強く生きる女性を描いた、ドラマチックな作品に仕上がっています」。
また、アコースティックギターの音色が響くミディアムバラードのカップリング曲『めずらしい夜』でも、表題曲と同様に過去の恋愛を振り返る女性をテーマにした。
「1枚を通して同じ世界観で統一したかったんです。ただ歌詞では失恋した相手を思い返して泣きたくなる夜があるという、終わった恋のもう1つの側面について歌っています」
「次は幸せな恋の歌を歌いたいですね(笑)」とおどけつつも「グループのときとは違ってソロでは女性らしさを追求したいと思っているので、そういった表現の幅をこれから広げていきたい」と意欲を見せる。
今後もソロ曲のリリースを重ねるごとに、新たな彼女の一面に出会えそうだ。
(「日経エンタテインメント!」3月号の記事を再構成 文/中桐基善)
[日経MJ2018年3月30日付]
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