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サントリーホールディングスの新浪剛史社長

サントリーホールディングスの新浪剛史社長

「やってみなはれ」。サントリー(現サントリーホールディングス)創業者の鳥井信治郎氏がもっとも大事にした言葉だ。息子で2代目社長の佐治敬三氏もビール事業に挑戦した際、この言葉で社内を奮い立たせた。だが創業から110年以上を経て、「官僚化」も進んでいた。創業家以外で初の経営トップに就いた新浪剛史社長は「リーダーの最大の仕事は人材育成」と語る。人づくりにも新風を吹き込む。

創業家の精神を伝える「大学」設置

――サントリーの官僚化に危機感を抱いた佐治信忠会長は米蒸留酒大手ビーム(現ビームサントリー)買収により、組織に揺さぶりをかけたといわれますが。

「(創業家出身の歴代トップは)大きな流れを読み、決断ができる力がありましたよね。やり遂げられると信じている。やり遂げないと会社が無くなってしまうとの危機感を持っているのです。歴史を振り返ると、サントリーの創業家は夢を実現してきました。まず、鳥井信治郎氏はウイスキーを手掛けた。佐治敬三氏は寡占化していたビール市場にあえて飛び込んだ。(その後の世代に引き継がれ、)46年目にして初めて黒字化を果たしました。佐治信忠氏は世界のサントリーとなるため、ビームの買収に踏み切ったのです」

「いずれも私が米ハーバード大学院の経営学修士(MBA)課程で学んだ理論の枠組みを超えるものでした。MBAの理論ではヒト、モノ、カネといった全ての経営資源があるか、無ければ経営資源を補える協業先があるか、確認を重ねた上でやると決めるものです。しかし、サントリーはそれが無くても、創業家が覚悟を持ってやり遂げるものなのです」

「外から来た私は、その精神に触れて何とも言えぬすごみを感じました。社員は空気のように感じているのだと思います。会社が100年、200年と続くと新たな買収など色々なことがあるでしょう。そんな時、会社の共通項が無ければ混沌としてしまう。だが当社には創業精神がある。社員にはその精神を改めて確認してもらうよう、2015年に『サントリー大学』と呼ぶ人材育成プログラムを立ち上げました」

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