一方の『おカネの教室』は、経済記者の著者による「お金と経済がストンとわかる、笑いと涙の青春小説」。中学生を主人公に「そろばん勘定クラブ」という奇妙なクラブで、半年かけておカネについて学ぶプロセスが小説になっている。一風変わった本だが、触れ込みのとおり、お金を手に入れる6つの方法の最後の一つを探るミステリー仕立ての展開を追いかけるうち、リーマンショックやビットコイン、経済学者ピケティのいう「貧富の格差」までが「そういうことか」と胸に落ちる出色の経済学習小説だ。読者は読みながら働くことやお金を得ることの意味を考えさせられる。

「働き始めると、ビジネススキルとか業務知識とかに目がいきがちになるが、そんなときこそ、働くことの本質的な意味を考えてほしい」というのが、益子さんがこの2冊を推す理由だ。

1年前にも同じテーマで定点観測している都心3書店におすすめを聞いている(「書店員がおすすめ 新入社員が読んでおきたい5冊」)。仕事術のロングセラーや、王道の自己啓発書を紹介しているので、そちらの記事も参考にしてほしい。

(水柿武志)

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