というのは、日本の家庭ではよく「子供にお金の苦労は見せない」「(お金は汚いものなので)家ではお金の話はしない」などと言いますよね。でもお金が汚いものであるはずがないし、親のそういう思い込みによって、子供が正しい金銭観を身に付ける機会を失っているのでは、と常々思っていたからです。もちろん学校でもお金の持つ意味や大切さなどは習いませんから、「日本人の金融リテラシーは国際的に見れば中学生レベル」などと言われてしまうわけです。

その点、横山家では従来の全く逆を実践しており、子供にも家計の状況を一切隠さずに伝えているわけですから、こうして育った子供たちはきっとお金の大切さを誰より正しく理解していることでしょう。もっとも、「パパの仕事、最近あまりうまくいってなくてさ」とか「先月、上がると思って投資した株は暴落しちゃったんだ」などと子供に説明するのは、親自身が相当腹をくくっていないとできないと思います。なので普通の家では、従来像と横山家の中間くらいで、「なるべく子供とお金の話をしていく」くらいのところから始めるのがいいかもしれません。

そして2つめのサプライズが、横山家では小遣いを外貨で渡しているということ。毎月必ず外貨というわけではなく希望すれば円でももらえるそうですが、為替の状況によっては円でもらうより得な場合もありそうです。また使う際にも「○○が欲しいけど、今は円高だから買わない」などと、必然的に為替動向を意識し、熟考してから使うようになりますよね。投資をすると経済や為替にアンテナが立つ、とよく言いますが、このやり方なら小遣いをもらったり使ったりするだけでも子供が経済ニュースを見るようになるはずです。

お金の使い方といえば、横山さんは「消・浪・投」の3つに分けて考えるのが重要だといつもおっしゃっています。それぞれ消費、浪費、投資の略ですが、聞いていて私が面白いなと思うのは「人間には浪費も必要だ」と認めているところです。FPだから単純に浪費をいさめ、投資を勧めるというわけではなく、「頑張った後の息抜きは必要なのだから、浪費も大きな割合にならない限りはあってもいい。また一見浪費に見えても、後から考えればそれは必要な自己投資だった、ということもあり得る」(横山さん)。家族マネー会議でお互いの買いたいもの、お金の使い道をプレゼンする際には、やはりこの「その使い道は消・浪・投のどれなのか」という議論になるそうです。

今回は教育費という入り口から入りましたが、子供にお金の価値を教える重要さや、そもそもお金の価値とは一体何だろうかということを私自身考え直す良い機会になりました。(マネー研究所編集長 大口克人)

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