マルチディスプレーでパソコン快適 仕事も効率アップ
パソコンのデスクトップ画面が広がると、使い勝手が飛躍的に向上する。デスクトップ画面を広げる方法には「マルチディスプレー」と「仮想デスクトップ」があるが、2台目を置くスペースがあるなら、パソコンにもう一つのディスプレーをつなげて使うマルチディスプレーがお薦めだ。古いディスプレーはもちろん、使ってないタブレットをサブとして使う方法もある。
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デスクトップは簡単に増やせる
パソコンを使っていて、ついウインドウを開き過ぎて収拾がつかなくなったり、目的のアプリが見つからなくなったりして困った経験は誰しもあるだろう。
使っていないウインドウを閉じればよいだけなのだが、残しておきたいものが多いとなかなか整理できない。そんなとき、デスクトップがもう1面あるとまとめやすくなる。「デスクトップの画面を増やす」というと、手間がかかりそう、難しそうといったイメージがあるかもしれない。しかし、設定はとても簡単で、使い方さえ覚えてしまえば作業効率を大きく向上できる。
パソコンでデスクトップ画面を広げる方法には、「マルチディスプレー」と「仮想デスクトップ」がある。マルチディスプレーは外部ディスプレーを増設する方法だ。画面を物理的に増やすやり方なのでイメージしやすいだろう。この場合、使えるのはデスクトップパソコン向けの大きな液晶ディスプレーだけではない。タブレット端末をアプリを使って連携させ外部ディスプレーとして使えば、使わなくなったデバイスの再利用にもなる。
仮想デスクトップはその名の通り、仮想的にディスプレーを増やす方法だ。物理的な画面は増えないが、デスクトップを新しく作り、切り替えることで実質的にディスプレーを増やしたような使い方ができる。もちろん、マルチディスプレーに加えて仮想デスクトップを同時に使うことも可能だ。
外部ディスプレーを増やせば、SNS やメールソフトなどよく使うソフトを常に画面を映しておける。ほかのウインドウに埋もれて見えなくなるのを防げる。一方、仮想デスクトップは画面を切り替えてしまうため、常に視界の端に置いておくという使い方はできない。ここでは仮想デスクトップよりも使い勝手に優れるマルチディスプレーを詳しく紹介しよう。
USBでディスプレーをつなぐ方法も
現在売れ筋の液晶ディスプレーは21~24型。ノートパソコンの液晶ディスプレーはスタンダードノートだと15.6型が多く、モバイルノートならもっと小さくなる。並べるとその差は歴然だ。画面が大きい分、解像度が同じなら文字が大きくなり見やすくなる。
外部ディスプレーを接続するには、ノートパソコンに映像出力端子が必要だ。スタンダードノートであればほとんどのモデルが搭載しているが、モバイルノートでは省略されていることもある。端子の種類はHDMIが一般的だが、DisplayPortや、映像出力にも対応したUSB Type-C端子を備えている機種もある。これから液晶ディスプレーを用意する場合は、端子の規格が合うかよく確認しよう。
映像出力端子がない場合でも、USB接続の変換アダプターを使えば液晶ディスプレーをつなげられる。HDMI、DisplayPortなど端子の種類によってモデルが異なる。
タブレットもサブディスプレーになる
外部ディスプレーとして使えるのは、一般的な液晶ディスプレーだけではない。通常の液晶ディスプレーはデスクトップパソコンで使うことを想定しているが、初めから2台目用として作られたサブディスプレーと呼ばれる製品もある。
サブディスプレーは画面サイズが小さく、USBで接続する製品が多い。設置スペースが小さく、使いやすい。USB接続ならケーブル1本で電源も供給できるため、ノートパソコンと一緒に持ち運びやすいのもメリットだ。ただし、解像度は低い傾向があるため、表示できる情報は少なくなる。また、製品や環境によっては描画の遅れを感じる場合もある。
例えば、この記事の最後にある「サブディスプレー」の項目で写真に写っているのはセンチュリーの「LCD-8000U2W」だ。同社は「plusone」シリーズとしてサブディスプレーを数多く販売しており、中にはアナログRGBやHDMIで接続するモデルもある。また、ASUS JAPANの「MB169B+」のように、15.6型でUSB接続の製品もある。
アップルの「iPad」やAndroid搭載タブレットをサブディスプレーとして使う手もある。通常、タブレット端末は映像入力の機能はないため、アプリを使う。iOSでは「DuetDisplay」(Duet)が有名。アプリによってUSBケーブルでつなぐ、無線LANでつなぐなどの種類があり、表示の遅延の度合いもさまざまだ。
最後にそれぞれのディスプレーについてメリットとデメリットを整理してみよう。
●通常のディスプレー
●サブディスプレー
●タブレットをサブディスプレーとして使う
[日経パソコン2018年3月12日号の記事を再構成]
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