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一番摘み佐賀ノリ ツヤ・うまみ・口溶けが魅力

2018/4/17

佐賀ノリのトップブランド「佐賀海苔有明海一番」。口に入れるとさっと溶けて磯の香りと甘みが広がる

 ノリの生産量、金額ともに14年連続で日本一を誇る佐賀県で1万枚に3枚の割合でしか作れない。それが佐賀ノリのトップブランド「佐賀海苔有明海一番」だ。特徴は「ツヤ、うま味、口溶けの良さ」。炊きたてのご飯と一緒に食べると上品な磯の香りとうま味が口中に広がる。「まさに世界一のノリ」と佐賀県有明海漁協の徳永重昭代表理事組合長は話す。

■ノリ王国、佐賀

 有明海でノリの生産が本格的にスタートしたのは第2次世界大戦後。阿蘇山や九重山などから多くの河川が流れ込み、栄養分が豊富な水と土砂で干潟を形成している。海水と淡水が入り交じる絶妙な塩分濃度の穏やかな潮流により「ここにしかない、柔らかく、おいしいノリが育つ」(同漁協の江頭忠則専務)という。

佐賀県の有明海ではノリ養殖が盛ん。全国の生産量の4分の1を占める(2017年11月、佐賀市沖)

 佐賀のノリ生産量は全国のおよそ4分の1を占める。恵まれた自然環境に加え、ノリ養殖を日本一に押し上げたのが「支柱方式」という独自の育て方だ。有明海は潮の満ち引きにより最大6メートルの干満差がある。満潮時はノリが海水に浸り、海の養分を吸収する。干潮時は海上で太陽光線を浴び、光合成でうま味を蓄える。佐賀のノリはうま味成分のアミノ酸の含有量がシイタケやカツオ節の3~5倍とのデータもある。ノリの生産業者は季節や生育状況にあわせ、こまめに網の高さを調節する。漁協、県や地元の大学が漁場や苗の研究開発を支援し、質の向上と生産量の拡大に努めてきたノリ王国なのだ。

■一番摘みの初物に限定、今シーズンは当たり年

味、姿、育ちを7項目で判定し合格したものが「佐賀海苔有明海一番」を名乗れる

 佐賀産のノリのうち、地元の漁協や生産者らが素材から厳選を重ねて完成させるのが佐賀海苔有明海一番だ。ノリの収穫期は毎年11月~翌年5月で、有明海一番はシーズンの最初に摘んだノリであることが条件の一つ。生産者は一つの網から摘むノリの量を限定し、丁寧に収穫する。ノリの味の決め手の一つとなる、ふわっととろける口当たりの良さは食感測定器を使って計測する。湿らせたノリを測定器でたたき、ほぐれるまでの回数をはかる。佐賀県有明海漁協によると、測定値が25回以下のノリだけが合格となる。ちなみに国産の上等のノリは65回、海外産は150回ほど。香りレベルが「優」以上、タンパク質含有量が50%以上、色・ツヤ・形が美しいなど7つの基準をクリアしたノリだけが佐賀海苔有明海一番を名乗ることができる。

 価格は1枚(21センチ×19センチ)500円。スーパーの店頭で一般的な焼きのりが10枚入りで400円程度の例があることを考えると、かなりの高級品といえそうだ。全国の百貨店で開く佐賀物産展などで購入できる。ネット通販を手掛けるサン海苔(佐賀市)では「特別な人への贈り物として売れ行きは順調」と話す。

 ノリ全体でみても今シーズンは寒く、生育に適した気候条件が続いたため「色、香り、口溶けの良い上級品が育っている」(全国漁連のり事業推進協議会)。海水温の上昇などで生産量は昨シーズンまでの10年で2割減り、国内ノリ消費量85億枚に対して75億枚ほどしかできなかった。今シーズンは「80億枚を回復できそう」(同協議会)。

 手巻きずし、お吸い物にお総菜。ノリはいつも他の食材を引き立てる「名脇役」(江頭専務)だが、佐賀海苔有明海一番のおいしさは主役級だ。しかも今シーズンはノリの当たり年。出回りが本格化した新物を楽しみたい。

(佐々木たくみ)

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