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回数制限で闇カジノが栄える? 依存症対策の有効性は

2018/4/3

カジノ解禁でギャンブル依存症になる人は増えるのか

カジノ解禁に伴うギャンブル依存症対策に注目が集まっています。自民、公明両党は3月27日、今国会への提出を目指す統合型リゾート(IR)実施法案に「週3回、月10回」という入場回数の制限を盛り込むことで合意しました。数千円程度の入場料も徴収する方向で検討しています。依存症対策をどう考えればよいのでしょうか。

日本はギャンブル依存症になったことがある人が海外よりも多そうです。国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)が2017年にまとめた実態調査(中間結果)によると、成人の3.6%が依存症を疑われる状態になったことがあると推計されます。オランダは1.9%、カナダが0.9%、スイスが1.1%なので日本の多さが目立ちます。調査は「負けた分を取り戻そうとギャンブルをしたことがありますか」といった16項目を質問しました。

最も身近なギャンブルといえるパチンコでは「行きやすさ」が依存症と関係するとの研究結果があります。慶応大学の後藤励准教授らは14年、自宅から1.5キロ以内にパチンコ店ができると、依存症が疑われる状態になる確率が変わるのかを調べました。結果は低所得地域では2.6%上昇。性別でみると女性は変わりませんでしたが、男性は1.9%上がりました。

与党が検討している入場制限や入場料にはカジノに行きにくくする効果があるので、後藤氏は「アクセスしにくい立地と組み合わせることでかなり有効な対策になる」とみています。

これに対し、よしの病院(東京都町田市)の河本泰信副院長は依存症患者を治療してきた経験から対策の効果を疑問視しています。ギャンブルで失ったお金を取り戻そうとする「負け追い」という行動をやめさせるのは簡単ではないためです。こうした人は「他のギャンブルではなく、同じギャンブルで取り戻そうとする」(河本氏)そうです。このため回数制限などでカジノに入れなくなると、規制が行き届かないインターネットカジノや闇カジノに向かう恐れがあるそうです。

そうなっては治療が難しくなってしまうので、むしろ、個人の賭け金のデータを記録しておいて、カジノ側が依存症の疑いのある人に声をかける仕組みが重要だといいます。

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