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疲れない人が実践 スキマトレーニングとストレッチ プロトレイルランナー鏑木毅選手の健康マネジメント術(1)

日経Gooday

2018/4/9

 外食をやめると同時に、ウオーキング+ランニングという運動からスタート。1本先の電柱まで走ったら歩いて、次の電柱にたどり着いたらまた走るといった方法です。突然走るということをせずにケガを防ぎながら、少しずつ走る距離や時間を延ばし、結果的に1年で20kg近く落とすことができました。走れるような体になってからは、トレイルランニングの魅力にどっぷりとはまっていくのに、時間はかかりませんでした。

■時間がない人は「スキマトレーニング&メンテナンス」を

 当時は、県庁職員として働きながらトレーニングする「兼業アスリート」でしたから、トレーニング時間の十分な確保が難しく、普段の生活の中にトレーニングやメンテナンスを組み込んでいきました。トレーニングを始めると、「毎日30回3セットずつ補強運動をしよう」「1日10分ストレッチをしよう」と決める人が多いと思いますが、なかなか続かず、いつの間にかリタイアしてしまうものです。でも、スキマ時間を活用すれば習慣化しやすく、忙しいビジネスパーソンでも続けやすいのでお勧めです。

 例えば、私が所属していた部署のフロアは22階にありましたが、5階にある部署などに用事があるときはエレベーターを使わず、必ず階段で上り下りすることを自分に課していました。それも普通に上るのではなく、駆け足で上がったり、一段飛ばしで上がったりする。基礎代謝が上がってさらに有効な全身運動になります。仕事が忙しくてウエートトレーニングのための時間が確保できなくても、職場や駅といった日々の暮らしの中にある階段を使えば、臀部(尻)や大腿前部と後部などの筋肉が鍛えられます。私は仕事中の移動だけでなく、お昼休みには階段をダッシュで上り下りしてトレーニングしていましたね。

エレベーターを待っている間などに、例えばこんなストレッチを実施

 また、ケガ予防やトレーニング効果の向上には、筋肉や腱(けん)を伸ばして可動域を広げ、動きやすい体をつくることが大事になります。そこで私は、電車やエレベーターを待っている間や信号待ちのときに体を左右にひねったり、アキレス腱を伸ばしたり、前屈や屈伸をしたりと、「ながらストレッチ」も習慣にしていました。特に同じ姿勢のままの長時間のデスクワークは血流が滞って体が硬くなり、乳酸などの疲労物質もたまりやすいので、1時間に1回は立ち上がって歩き、体をほぐすように心がけていましたね。

 この「ながらストレッチ」は今も続けていて、海外遠征などのため飛行機で長時間移動する場合も、30分から1時間単位でこまめにトイレに行って屈伸などをして、同じ姿勢が長時間続かないようにしています。家では歯を磨きながら、少し行儀が悪いですが、足首を洗面台にのせてハムストリング(太ももの裏)などを伸ばしています。

 さらに、体の疲労を少しでも軽減させるには、血流を促進して筋肉の疲労回復を早めることができる「セルフマッサージ」も欠かせません。県庁勤務時代は、席に着いて会議が始まるまでのスキマ時間に、太ももなどを片足ずつもんだりすることが癖になっていました。今でも車の助手席に乗って移動しているときに、オリーブオイルをふくらはぎや大腿部に塗ってマッサージしていますね。妻に「車が臭くなるからやめて」と言われますが(笑)。

 その頃の習慣はプロになった今も続いており、暇さえあれば体を鍛えているか、「ながらストレッチ」や「セルフマッサージ」で体のメンテナンスを行って疲労を軽減させているか、それが私の優先的な時間の使い方です。

■老化に勝つ「ほったらかし疲労回復アイテム」

 トレイルランニングを始めて数々の大会に参加していたのですが、40歳手前で脚力や疲労の回復度合いが遅くなったと感じることがありました。いわゆる第1段階の老化です。競技力を低下させる「老い」と闘っていくためにも、トレーニング以外の時間は少しでも疲労回復につなげようと、さらに意識するようになりました。今は恐らく誰よりも疲労回復について考え、自分に合う方法を日々トライ&エラーの繰り返しで模索しています。

 例えば、ウエアなどのアイテムもすべて試して、自分が本当にいいと思うもの、自分の体に合うものだけを使っています。

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