『ザ・シューター』 リアルな狙撃描写で初登場1位
2018年2月 海外ドラマ月間レンタルランキング
TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキングに新作『ザ・シューター』が1位で初登場した。罠(わな)にはめられた天才スナイパーが国際的な陰謀に挑むサスペンス大作だ。狙撃銃や弾薬に関するマニアックな描写がメインユーザーである40代男性を引きつけ、新たな人気シリーズとして立ち上がった。
『ザ・シューター』はスティーヴン・ハンターの全米ベストセラー『極大射程』が原作。全米では2016年にケーブル局USAネットワークで放送がスタート。シーズン2も放送される人気作となった。
主人公は元海兵隊員の天才スナイパー、ボブ・リー・スワガー。退役後は、妻と娘と共にひっそりと暮らしていたが、かつての上司から大統領暗殺計画の阻止を依頼され、祖国のために了承する。しかし、それは巧妙な罠で、何者かにより狙撃が実行され、スワガーは実行犯のぬれぎぬを着せられる。追われる身となったスワガーは、陰謀の黒幕を暴くべく孤独な戦いを始める、というストーリーだ。
07年に映画化されたが、今回のテレビシリーズ化にあたっては、映画版の主演マーク・ウォールバーグ、監督アントワーン・フークアが製作総指揮を務めるなど、ハリウッドの精鋭スタッフが集結。静かな狙撃と激しいガンアクションが連続する緊迫の映像が展開する。
なかでも評判を呼んでいるのが、狙撃銃や爆薬に関する専門的でマニアックな描写。46種類もの銃と火器が使われ、特に狙撃銃であるスナイパーライフルは17種類が登場。原作ファンからもリアルな映像が高く評価されているという。
主人公のスワガーにふんするのは、映画『父親たちの星条旗』のライアン・フィリップ。スナイパーとしての沈着冷静な面と家族愛を表現する柔和な面が合わさり、アウトローの雰囲気が強い原作や映画版とはまた違った新たなスワガー像をつくりあげた。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏によると、レンタルユーザーの中心は40代男性。「細部までリアルな狙撃の描写はプロもうなる出来栄え。海外ドラマユーザーのボリュームゾーンである40代以上の男性の好みにマッチして、既存の人気シリーズを抑えての初登場1位となりました」と言う。
■英ヘンリー王子の婚約で人気再燃
中山氏は、2位に初登場した『SUITS/スーツ』シーズン6にも注目。ニューヨークのエリート法律事務所を舞台に、クールな辣腕(らつわん)弁護士ハーヴィーと天才的な頭脳を持つマイクが活躍する都会派の弁護士ドラマだ。『ザ・シューター』と同じUSAネットワークで16年から放送されている人気シリーズである。
「安定的な人気を得ていましたが、17年11月に、マイクの恋人レイチェル役のメーガン・マークルが英国のヘンリー王子と婚約したニュースの話題が広がり、本作の人気が再燃しています」(中山氏)。もともと20~30代の男性が多く借りていた作品だが、このニュースが流れてから1カ月の間に、シーズン1を借りた女性の数はそれ以前の同期間に比べて11%増となった。
全米では17年にシーズン7を放送。メーガンとマイク役のパトリック・J・アダムスはシーズン7をもって降板し、シーズン8が製作されることが発表された。スピンオフの製作も決まっており、日本でもしばらく人気が続きそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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