ネットで小口投資 米国倉庫からエストニアの住居まで世界のどこに投資する?(19)海外不動産

2018/3/28

 ガイアは3月27日時点で計約4000人、約60億円の金額を集めた。「長い経験のある開発業者と提携し、現地情報に根ざした案件情報を日本の個人投資家に提供したい」とケルビン・チウ氏は話す。

Skype生んだエストニアへの投資も

 三菱地所などが出資するクラウドリアルティ(東京・千代田)は、CFの中でも「投資型」といわれるタイプで、証券化された不動産への投資仲介を手掛ける。貸し付け型と異なり、出資者も起案者の名称や対象物件を把握できる。

エストニアは年2~3%の安定した経済成長率を維持(タルトゥ市内)

 海外では主に現地子会社を通じ、エストニアの不動産担保ローン案件を手掛ける。同国は旧ソ連から分離独立したバルト3国に属し、近年の実質経済成長率は年率2~3%前後と日本(1%前後)より高い水準で推移している。近年はIT(情報技術)関連の新興企業が勃興し、首都タリンのほか、日本でいう京都のような学園都市タルトゥがある。今や世界中で活用されている無料通信サービス「Skype(スカイプ)」も、同国で誕生した。

 クラウドリアルティはタルトゥの開発案件の不動産担保ローン証券化も手掛けており、「大学周辺の住宅街は堅調な入居需要が存在している」(鬼頭武嗣代表取締役)という。同社はタリンの不動産関連業者や弁護士らと連携し、現地ならではのマーケット情報を集約しているという。裏付け資産となる不動産には基本的に第1順位の抵当権がついているとし、「最大でも不動産評価額の60~70%のローン債権にしか投資しない」(鬼頭氏)方針だ。

 現段階で募集したのは2件。募集総額は2500万円程度で、運用期間は約1年。手数料1%分を差し引いた想定利回りは税引き前で年率8%程度だ。海外不動産投資の案件はまだスタートしたばかりといえるが、「今後は他国も含めて徐々に案件を積み上げたい」(鬼頭氏)と話す。

◇  ◇  ◇

 海外の不動産投資案件を扱うCFは、現地でのオペレーションを専門業者に委託して資金運用できるのが利点。利回りは高めだが、上述のように返済遅延や回収不能に陥るリスクは残る。さらに為替リスクを投資家が負う場合が多いのでその点にも注意が必要だ。

 とはいえ、海外不動産投資を個人の人脈で全て仕切るのは難しい。その点、CFの力で、現地の情報に精通した人脈を間接的に使うのは一つのやり方といえる。ただしインターネットの世界では、業者は玉石混交。「入金したのに業者が突然、いなくなった」といったトラブルは後を絶たない。預金や株式のような投資家保護の仕組みもない。相手が信頼できる業者かどうかの確認は、CFの世界でも投資家として忘れずにしておきたい。

(マネー報道部 南毅)

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