春こそデトックス バナナでつくる簡単レシピ
カリウムや食物繊維が豊富な食材を取って、体にため込んだ老廃物を体外に排出するデトックスが話題になっています。春はデトックスに適した季節。おすすめの食材や、簡単につくれるデトックスレシピを紹介します。
気温が上がってきたらデトックスのチャンス
「暖かくなる春は体を動かす機会が増え、気温も上がるので汗をかきやすくなります。汗が老廃物を体の外に排出してくれます。また、冬に比べて水分を取る量が増えるので、老廃物が尿として外に出やすくなります」(管理栄養士の荒井理子さん)
もし、体にたまった老廃物や余分な水分をうまく排出できないと、様々な影響が出てきます。「体がむくんだり、だるくなったりしてきます。吐き気や頭痛、食欲不振などの可能性も」(荒井さん)
対策としては、老廃物の排出を助ける食物繊維とカリウムが豊富に含まれている食材を意識して取るとよいそうです。
「食物繊維やカリウムは、野菜や果物に多く含まれています。野菜ならホウレンソウ、サラダ菜、サニーレタスなどがおすすめ。ホウレンソウには100グラム当たり690ミリグラムのカリウムが、サラダ菜やサニーレタスには100グラム当たり410ミリグラムのカリウムが含まれています」(荒井さん)
いずれも生のまま食べられる野菜なので、サラダなどで気軽に摂取量を増やしましょう。果物ならバナナがおすすめだそうです。「バナナはカリウムと食物繊維が豊富で、特に食物繊維は不溶性と水溶性がバランスよく含まれています」(荒井さん)
不溶性の食物繊維は腸を刺激し排便を促すので便秘解消も期待できます。一方、水溶性の食物繊維は腸の善玉菌を増やし、糖と脂質の吸収を抑える働きがあることから特定保健用食品(トクホ)の製品にもよく使われています。満腹感を得られるため肥満予防も期待でき、血中コレステロールの上昇を抑えてくれる働きもあるといいます。
生の野菜や果物がより効果的
デトックスには老廃物の排出を助ける栄養素を積極的にとるだけではなく、代謝酵素を働かせることも重要といわれます。日本リビングビューティー協会常任理事の北原正江さんは、次のように説明します。
「人間の体内では、消化酵素と代謝酵素の2つの酵素が分泌されています。食べたものの消化にかかわる消化酵素、体の代謝にかかわる代謝酵素を合わせた量は一定といわれます。一般的に食物に含まれる酵素は熱に弱く、加熱した食物を多く食べるとそれを消化するために体内の消化酵素がたくさん使われます。するとその分、代謝酵素が減ってしまい、そうした食事が長く続くと便秘や吹き出物、疲労などの体調不良が起こることがあります」
酵素を取るには、加熱していない生の野菜や果物を食べるとよいといいます。「生の野菜や果物を食べると消化酵素をあまり使わなくてすむため代謝酵素がきちんと働き、デトックスが促されます」(北原さん)
バナナでつくるデトックス向きアイスクリーム
デトックスにおすすめの食材の一つ、バナナを使ったレシピを紹介します。バナナはカリウムや食物繊維だけでなく、抗酸化作用が期待されるポリフェノール、「美容ビタミン」と呼ばれるビタミンB群も豊富で、女性にはうれしい食材です。
バナナはスムージーなどで取る人も多いと思いますが、アイスクリームもおすすめです。今回紹介するレシピはココナツミルクを加えてあるのでやさしい甘みを感じます。そのままでもおいしいですが、非加熱のカカオパウダーを加えれば高級店のチョコレートのような味わいに仕上がります。
[デトックス向きアイスクリームのレシピ]
材料(2人分): 冷凍バナナ(冷凍庫で一晩凍らせたもの)…4本、ココナツミルク…250ミリリットル、カカオパウダー…大さじ2、好みのフルーツ
作り方:1.ココナツミルク、冷凍バナナをミキサーに入れ、バナナがクリーム状になるまでかくはんする。2.1の半量をグラスに注ぐ。3.1の残りにカカオパウダーを加え、2に注ぐ。3.好みのフルーツをトッピングする。イチゴなどを使うとぐっと春らしい雰囲気に。
何かと不調を感じやすいこの季節、デトックス向きの食材を意識して取り入れてみませんか。
(取材・文 GreenCreate)
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。