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ミシュラン店から伝統料理店まで バンコク最新食事情

2018/3/29

ミシュラン一つ星「ペースト」の看板料理「王立プロジェクトのマスの薫製」

 今、タイ料理に革新が起きている。モダンタイ料理と称される、新たな調理法を提案するレストランが、次々と首都バンコクに出現しているのだ。幸いにも6年ほど前から、毎年10日間ほど仕事で訪タイする機会があり、タイ料理の変貌ぶりを感じている。その経験から、お薦めのレストランを紹介する。

 モダン・タイキュイジーヌの旗手といえば、「PASTE BANGKOK(ペースト バンコク)」である。2017年12月、初のバンコク版「ミシュランガイド バンコク2018」が発表され、その中で一つ星を獲得。さらに、同店のBee Satongun(ビー・サントガン)さんは今年3月、2018年度の「アジアのベストレストラン50」で「女性最優秀シェフ」に選ばれた。バンコクで全く目が離せないレストランだ。

 サントガンさんはオーストラリアに渡り、オーストラリア人のご主人のジェイソン・ベイリーさんと人気タイ料理店を経営。その後故郷タイへ凱旋帰国し、「ペースト」をバンコク郊外の住宅街にオープンしたのが2013年。瞬く間に評判を呼び、2015年に都心のサイアム地区にある高級商業施設「ゲイソンプラザ」内に移転して今に至る。

「ペースト」の料理の特徴は、1900年代初頭に貴族の家で使われていたレシピを調査し、それを再構成した料理を提供していると聞いた。いったん伝統的な料理に戻り、それを現代風にアレンジしているという点に興味を抱き、さっそく訪問。

 まずは、「ランチお試しコース」をオーダー。すると、ウエルカムドリンクのジュースとアミューズが運ばれてきた。アミューズは、スモークされたサバとキャビアの組み合わせで、カシューナッツの葉の上に乗っている。間には発酵させたフルーツのペーストが挟んであったりして、口にすると一気に食欲がわき上がってくる。

 次は、「スイカのサラダ」。見た目もきれいだが、サーモンやイクラとの組み合わせ、それに繊細な味付けは、懐石料理や高級フレンチのレベル。それでいて、タイ料理の範囲を決して脱していない。まさに絶妙の香味具合が口の中に天使を呼ぶ。

 そして、見事なプレゼンテーションの皿「王立プロジェクトのマスの薫製」。きれいなマメを敷きつめた上に、タピオカ団子に包まれたマスの薫製が、カラシナの葉とともにのっている。タピオカ団子のぷりぷりな食感の中からジューシーなマスの味わいが広がるのが印象深い。

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