ノートPC春商戦、粒ぞろい 重さ1キロでも機能十分
街中のカフェや電車の中でモバイルノートパソコンを使っている人を見かける機会が増えた。空いた時間での調べものはもちろん、急用にも素早く対処できる。ビジネスパーソンの必須アイテムといっていいだろう。この春登場したモバイルノートの代表機種の特徴を探った。
12型画面なら持ち運び容易
一口にモバイルノートというが、価格だけ見ても4万円程度のものから30万円超えまである。ディスプレーのサイズや重さ、バッテリー駆動時間の長さ、処理性能、拡張性など、購入時のチェックポイントは多岐にわたる。価格だけを重視せず、目的に合う機能やスペックを備えた1台を選ぶ必要がある。
モバイルノート選びで優先すべきは持ち運びやすさ、言い換えるならモバイル性能だ。13.3型のディスプレーを搭載する機種が一般的だが、コンパクトさ重視なら12型、見やすさ重視なら14型も選べる。重さは、長時間持ち歩くなら1キログラム前後かそれ以下のものが望ましい。
バッテリー駆動時間は、電源のない場所で長時間使うことがあるのなら特に重視したいポイントだ。メーカーが公表しているカタログ値は特定の条件下での駆動時間なので、その6割前後が実際に使える時間の目安になる。
外に持ち出して使うとなると、セキュリティーにも気を配りたい。指紋認証や顔認証といった生体認証機能が備わっている機種が望ましい。
また、外出先でインターネットに接続する手段を確保しておくことも重要だ。無線LANを利用できない場所で使うことが多いのなら、携帯電話の回線でインターネットに接続できるLTE通信機能を備えた製品が狙い目だ。格安SIMカードなどと組み合わせて使えば、スマートフォンのテザリング機能で接続するよりも使い勝手がいい。
なお、ウィンドウズやアプリケーションソフトがスムーズに動作して快適に使えるかは、CPUやメモリー容量などの基本スペックに依存する。CPUはCore i5以上、メモリーは8ギガバイト以上搭載が、快適に使うためのひとつの目安だ。
こうした点を考慮した注目機種が今春はそろっている。まずパナソニックの「レッツノートSV」シリーズだ(店頭実売価格23万7000円前後から)。12.1型とコンパクトで最軽量モデルは1キログラムを切る。バッテリー駆動時間はモデルによって21時間または14時間と長い。顔認証が使え、LTE通信機能に対応するモデルもある。拡張端子も豊富で、外付けの変換アダプター類を使わずプロジェクターなどの周辺機器や有線LANに接続できるのも魅力だ。
指や指紋認証、安全面も万全
画面の見やすさなら14型のレノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Carbon(2018モデル)」シリーズ(直販価格23万6520円前後から)。画面は大きいが1.1キログラム台と軽い。指紋認証に対応し、顔認証やLTE通信機能が使えるモデルも選べる。もともと頑丈さやキーボードの打ちやすさで人気の高いシリーズであり、そうした面でも安心感が強い。
モバイル性能を重視しつつ価格は抑えたい人には、NECの「LAVIE Note Mobile」シリーズの12.5型モデル(店頭実売価格10万5500円前後から)がいい。920グラム台と軽く、バッテリー駆動時間は11時間以上。最上位モデルは指紋認証にも対応する。学生向けのイメージが強いが、コストパフォーマンスの高いモバイルノートとしてビジネスパーソンにも魅力的だ。
画面に直接触れて操作できるタッチ操作機能を使いたい人には、ノートパソコンとしてもタブレットとしても使える、2in1タイプの製品が向いている。モバイルノートとして使えるのはもちろん、商談の場で画面を相手側に向けたり、立ったまま使ったりできる。12.5型の東芝「dynabook V」シリーズ(店頭実売価格16万6000円前後から)は、ディスプレーが360度回転してタブレット型に変形する2in1タイプ。重さは1099グラムでバッテリー駆動時間が17時間と、2in1タイプとしては長い。指紋認証にも対応する。
(日経トレンディネット 湯浅 英夫)
[日本経済新聞夕刊2018年3月24日付]
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