低コスト投信で資産増やす 長期運用だと差は歴然非課税口座なら成績はさらに向上

 あまり知られていないが、投信は信託報酬のほかにも様々なコストがかかる(表C)。組み入れ銘柄の売買手数料や海外資産の保管費用、監査報酬などだ。これらを合算したものが実質的な保有コストだ。

 資産の保管費用がかさみやすい新興国型や、売買頻度が高くなりがちなアクティブ投信は実質コストは重いことが多い。実質コストは投信ごとに大きく異なり、信託報酬の数倍に達する商品もある。

 実質コストは運用報告書の「1万口当たり費用明細」や、投信評価会社モーニングスターのサイトなどで調べられる。ただ決算期ごとに計算されるため、つみたてNISA向けなど、最近設定されたばかりの投信ではまだ開示されていない。不安なら決算期まで待つのも選択肢だ。

 超低コストの投信は運用会社にとって採算が悪く、「純資産残高が小さいと繰り上げ償還されるリスクがある」(楽天証券経済研究所)。10億円にも満たないようだと要注意との指摘もある。償還されれば運用を中断せざるをえない。

 ただし投信はマザーファンドとよばれる運用形態も多い。一般に売られている投信(ベビーファンド)とは別に、それらをまとめて運用する大きなファンドが背後に控えている形態だ。

乗り換えには留意を

 マザーファンドの純資産が大きければ償還リスクは小さくなる。純資産はネット上で見られる運用報告書全体版に開示され、請求目論見書でわかることも多い。つみたてNISA向けでは、マザーファンドの純資産が数千億円と大きい投信も目立つ。個別投信自体の純資産だけで判断しないように気を付けたい。

 低コストの投信をすでに持っている場合、より割安な投信が発売されたら乗り換えるべきか。コストの差が小さければ運用成績への影響は軽微。利益がある投信を売ると、課税口座であれば税負担が生じる。「コスト軽減効果と税負担を比べて考えるべきだ」(ファンドアナリストの吉井崇裕氏)。保有する投信は維持し、新たな投資分だけ切り替える手もある。

 アクティブ型投信の場合、コストが多少割高でも運用成績そのものがよければ補える。アクティブ型は市場平均に比べて成績が大きく変動する傾向があり、17年のように市場全体が好調な時期には指数を上回る投信が多くなりやすい。

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