シスコのテレビCM(写真提供:日清シスコ)

そもそも忙しい朝の食事として、袋から出してすぐに食べられるシリアルには優位性があった。しかも、栄養価が高いとなれば、徐々に日本の朝食メニューの一部として溶け込んでいくことになる。

ところが、1980年を過ぎたあたりからシリアルのターゲットが目に見えて変わり始めた。玄米や麦などを原材料にする、健康志向を打ち出した商品が目に付くようになる。なぜ、変わったのか。

「子どもたちが大人になったんです」(日本ケロッグ執行役員大谷弘子マーケティング本部長)

シリアルを食べることを覚えた子どもたちは、やがて大人になり、親になっていく。新たな家庭にシリアルの食習慣を持ち込み、年齢が進むとともに、コーンフレークからグラノーラ、機能性シリアルへとメニューを変えていくのだ。

その流れは、やがて「少子高齢化」とも歩調を合わせ始める。子どもは減り、健康志向の大人が増えてくると、味も変わってくる。甘さがどんどん減っていくのだ。

長嶋茂雄選手が出演したテレビCMでは、コーンフレークに砂糖をかけ、さらに牛乳をかける食べ方が紹介されていた。そもそも甘みのついている商品もあるが、今では、自分で砂糖を加えるような食べ方は少なくなっているという。

では、子ども向けの市場が縮小してしまったのかというと必ずしもそうではない。甘さでシリアルを覚えた子どもたちがシリアルを朝食に食べる習慣を身につけるようになったことからも分かるように、子どものころにいかにシリアルに慣れ親しむかが、その後の食習慣を大きく左右するという。

シスコでは現在「自分でつくるはじめての朝ごはん」をテーマにしたキャンペーンを展開している。保育界のカリスマアイドル・ケロポンズを起用、伝統のキャラクター・シスコーン坊やとともに、シリアルの朝食を自分で作る様子を紹介するダンス映像「できるさ できるよ あさごはん」を公開している。

袋から皿に盛り、牛乳をかけるだけというシンプルな食べ方は、小さな子どもにぴったりというわけだ。