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シリアル日本発売55年 甘さで覚えた味、健康志向に

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NIKKEI STYLE

朝食の定番メニューの一つ、シリアル。ご飯にみそ汁、漬物が定番だった日本の朝食風景に、いかにしてこのアメリカ風の食べ物が登場し、普及していったのか……。汁気たっぷりの「ニッポンの朝ご飯」とは対照的な、このカリカリした食べ物を、かつての日本人が容易に受け入れたとは、ちょっと想像しにくい。いったいどのようにして日本の食卓に受け入れられていったのだろうか?

日本市場に本格的にシリアルが登場したのは1963年。日本ケロッグが「コーンフレーク」と「コーンフロスト」(現在の「コーンフロスティ」)、シスコ製菓(現在の日清シスコ、以下シスコ)が「シスコーン」とそれぞれトウモロコシを原料にしたコーンフレークを発売した。

そもそもシリアルは19世紀に、植物繊維の豊富な穀物などを原料に保養所の療養食として誕生している。

しかし、栄養価を高めたぜいたくな食品ということもあり、日本市場ではすぐには広がっていない。63年の発売当初もぜいたく品として見られていたという。その際、日本ケロッグ、シスコともに主たるターゲットに据えたのが子どもだった。

育ち盛りの子どもにこそ高い栄養が必要であると判断、また当時は、砂糖を加えるなど甘くして食べるのが主流で、この食べ方を子どもたちにアピールしていく。

子ども向けのマーケティングは、当時の両社のテレビCMに見て取れる。

シスコのCMに登場するのは、シスコーン坊や。子どものキャラクターだ。一方日本ケロッグは当時の子どもたちのあこがれの的、プロ野球巨人軍の長嶋茂雄選手が登場する。

そして、日本ケロッグのおまけ。現在でも多くのコレクターがいるという数多くのおまけがシリアルの購買への強い動機づけになった。

一方菓子製造が発祥のシスコは「チョコフレーク」も投入する。子どもたちの間にシリアルが受け入れられ、やがて家庭でも徐々に食べられるようになる。

そもそも忙しい朝の食事として、袋から出してすぐに食べられるシリアルには優位性があった。しかも、栄養価が高いとなれば、徐々に日本の朝食メニューの一部として溶け込んでいくことになる。

ところが、1980年を過ぎたあたりからシリアルのターゲットが目に見えて変わり始めた。玄米や麦などを原材料にする、健康志向を打ち出した商品が目に付くようになる。なぜ、変わったのか。

「子どもたちが大人になったんです」(日本ケロッグ執行役員大谷弘子マーケティング本部長)

シリアルを食べることを覚えた子どもたちは、やがて大人になり、親になっていく。新たな家庭にシリアルの食習慣を持ち込み、年齢が進むとともに、コーンフレークからグラノーラ、機能性シリアルへとメニューを変えていくのだ。

その流れは、やがて「少子高齢化」とも歩調を合わせ始める。子どもは減り、健康志向の大人が増えてくると、味も変わってくる。甘さがどんどん減っていくのだ。

長嶋茂雄選手が出演したテレビCMでは、コーンフレークに砂糖をかけ、さらに牛乳をかける食べ方が紹介されていた。そもそも甘みのついている商品もあるが、今では、自分で砂糖を加えるような食べ方は少なくなっているという。

では、子ども向けの市場が縮小してしまったのかというと必ずしもそうではない。甘さでシリアルを覚えた子どもたちがシリアルを朝食に食べる習慣を身につけるようになったことからも分かるように、子どものころにいかにシリアルに慣れ親しむかが、その後の食習慣を大きく左右するという。

シスコでは現在「自分でつくるはじめての朝ごはん」をテーマにしたキャンペーンを展開している。保育界のカリスマアイドル・ケロポンズを起用、伝統のキャラクター・シスコーン坊やとともに、シリアルの朝食を自分で作る様子を紹介するダンス映像「できるさ できるよ あさごはん」を公開している。

袋から皿に盛り、牛乳をかけるだけというシンプルな食べ方は、小さな子どもにぴったりというわけだ。

そして今年シリアルが日本に登場して55周年。大人向け市場と子ども向け市場、双方に注目の新製品が両社から登場した。

日本ケロッグは、小麦ブランとスーパー大麦を使用した新製品 「オールブラン プレミアム」を、2月上旬に発売した。小麦ブランは、保水性の高い不溶性食物繊維を多く含んでいるため、水分を吸収すると大きく膨らむ性質があるという。一方、スーパー大麦は、通常の大麦に比べて水溶性食物繊維・β-グルカンと消化しにくい食物繊維・レジスタントスターチを多く含む。この消化の速度が異なる3種類の食物繊維が、段階的に腸の入り口から腸内細菌が多く生息する腸の奥まで届くという特徴がある。

不足しがちな食物繊維がたっぷり摂取でき、しかも腸の奥まで届くというわけだ。

一方、シスコから3月5日にリニューアル発売された「シスコーンBIG」シリーズ。今回、55周年に当たり、新たに2種のオリゴ糖を配合した。

注目は、パッケージの「持ち手マーク」。シスコ、日本ケロッグ両社とも従来の箱入りから自立する袋入りパッケージへと転換した。新パッケージはジッパー付きで開けやすく閉めやすい。小さな子どもでも扱いやすい。新しい「シスコーンBIG」では、パッケージの四隅に右利き用、左利き用それぞれ両手を当てるポイントをイラストで明示している。子どもにこぼさずにシスコーンを盛りつけてほしいというアイデアだ。

まさに「自分でつくるはじめての朝ごはん」に対応した工夫と言える。

療養食からスタートしたシリアルは、やがて朝食の定番メニューとなり、今ではデザートなどでも幅広く食べられている。コーンフレークがぎっしり詰まった喫茶店のジャンボパフェを目にしたことがある人も多いだろう。1988年にはカルビーもシリアル市場に参入、子どもから大人まで広いターゲット層を持ち、製品群も幅広い。

きのうはご飯、きょうはパン、あすはシリアル……。そんな朝食ローテーションの家庭も多いのではないだろうか。一方で、朝食を食べない人もまだまだ多い。これからもシリアルは日本の朝食に様々なインパクトを与えて行くに違いない。

(渡辺智哉)

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