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サントリーホールディングスの新浪剛史社長

サントリーホールディングスの新浪剛史社長

グローバル化を進める日本企業の最大の課題は海外企業を買収し、統合効果を上げることだ。しかし、文化の異なる海外企業の統合作業は至難の業だ。2014年、サントリーホールディングスの佐治信忠社長(現会長)は米蒸留酒大手ビーム(現ビームサントリー)を買収。その後、統合業務を担ったのがプロ経営者として知られる現在の新浪剛史社長だ。「結構ぶつかった」と悪戦苦闘の連続だったという。

トップが買収した企業の現場に足を運ぶ

――17年は海外出張を地球25周分したと聞いていますが。

「買収した企業にガバナンス(企業統治)を任せきりにしてはダメです。その企業の取締役会を経由して統治するだけではなく、経営トップ自らが現場に足を運ぶことが重要なのです」

「今、米国では日本のウイスキー人気復活の原動力となったハイボールを売り込もうとしています。米国では禁酒法の名残による規制で、酒は卸会社を通す必要があって、飲食店とは直接取引できません。ビームは『瓶』の販売に徹してきました。しかし、ハイボールを普及させるには、社員が飲食店を訪れて飲み方を提案することが不可欠です。ビームの文化を変える必要があった」

「サントリー本体の社長自らが現場の飲食店を訪れる。すると、ビームサントリーのマット・シャトック社長も回るようになった。現場には大きなメッセージとなる。率先垂範して動かなければならないと思って飛び回っているのです」

――東芝など、買収した海外の名門企業のコントロールに苦しむ日本企業が少なくありません。どのように統合作業は進んでいますか。

「サントリーの創業精神のもと、持続的に収益をあげて成長できる基盤はできました。今後はよりローカルに経営を任せていきます。では今までは任せていなかったのか。任せていなかったのです。サントリーホールディングスが中心となってビームサントリーを経営してきたのです。東京からシカゴのビームサントリーの本社に対してかなり注文を付けた。シカゴ側も抵抗がありました」

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