オリパラ

インバウンド最前線

分譲マンション、民泊禁止が8割超 価値の下落恐れる 管理組合、規約の改正や総会・理事会による決議で対応

2018/3/29 日経産業新聞

不特定多数の人がマンションに出入りすることに対する不安は大きい(写真はイメージ)=PIXTA

 マンション管理業協会(東京・港)は、一般の住宅に旅行者を有料で泊める民泊を禁止する全国の分譲マンションの管理組合が80.5%にのぼるとする調査結果をまとめた。容認した分譲マンションは0.3%にとどまった。調査は2月4日時点で、対応を決めていないマンションも約2割あった。騒音などでトラブルが発生するとマンションの価値が下がりかねないという不安が背景にある。

民泊に対応した物件を用意するケースも(住友不動産が東京都大田区で手掛けたリフォーム)

 調査はマンション管理業協会に加盟する365社を対象に実施した。管理業務を請け負っている9万5073の分譲マンション管理組合のうち9割超にあたる8万7352組合から回答を得た。

 住宅宿泊事業法(民泊法)が6月15日に施行され、民泊が全国で解禁される予定。仲介事業者や物件管理者からの受け付けは3月15日から始まったが、分譲マンションの住民による民泊での住環境悪化への懸念が鮮明になったかたちだ。

 禁止するとした管理組合のうち、管理規約の改正で対応する組合が全体の44.6%。総会や理事会による決議で禁止とした組合が35.9%だった。容認する管理組合では規約改正が0.1%、総会や理事会での決議が0.2%だった。

 新築分譲マンションへの民泊は不動産会社側も対応を強化している。三菱地所レジデンスは2016年11月から販売を始めた分譲マンションで、民泊への利用を禁じる管理規約を設けている。住友不動産や野村不動産、東急不動産は販売中のマンションを居住目的に限り、民泊への利用を事実上禁じる管理規約を設けた。

 東急不動産グループのマンション管理会社、東急コミュニティーは3月15日の登録開始を契機に、管理を請け負っている組合に規約の変更など民泊への対応を急ぐよう求めたという。

 一方で民泊に対応した物件を用意するケースもある。国家戦略特区で先行的に民泊が認められた東京都大田区では、住友不がリフォーム事業「新築そっくりさん」で区の民泊施設認定の1号案件を施工した。大京も区内の住宅を買い取り、民泊施設としての運用を始めている。

 ただ、民泊利用の拡大で入居者と民泊宿泊者との間でトラブルが増えればマンションのブランドが毀損、価値が下がりかねないとの不安は不動産会社とマンションの住民の双方に根強い。民泊が普及するにはこうした不安を解消する必要がありそうだ。

(福冨隼太郎)

[日経産業新聞2018年3月5日付を再構成]

オリパラ新着記事

ALL CHANNEL