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九州 味めぐり

油ソーメン 焼酎片手に 奄美郷土料理「群倉」

日本経済新聞西部夕刊

2018/3/29

 鹿児島市中心部の繁華街・天文館にある「群倉」は同市内にいながら奄美郷土料理を堪能できる店だ。奄美大島の大和村出身の小島市枝さんが1995年春に別の場所で開業。2度の中断を挟み2015年秋から今の場所で営業する。「昔ながらの調理法で故郷の味を守っている」(小島さん)そうで奄美出身者や赴任経験者、群島からの出張者、県外からの客らが集う。

イラスト・広野司

 店名は出身地に残る穀物などの高床式倉庫にちなむ。座敷とカウンターの16席でBGMは奄美新民謡。塩豚やキャベツ、煮干しなどといためた油ソーメン(700円)や骨付き豚バラ肉を大根と煮込む奄美風とんこつ(1千円)など、塩味ベースが多く素朴な味わい。「龍宮」などアルコール度数30度の黒糖焼酎との相性は抜群だ。

 看板料理の一つとする山羊汁(1千円)や、アバス(ハリセンボン)のから揚げ(800円)、テラジャ(マガキ貝、500円)など県本土では珍しい料理もそろう。野菜のハンダマなど奄美から取り寄せている食材もある。

 店は毎年2月に開かれる県下一周駅伝の大島チームの後援会事務局を兼ねている。店内には募金箱が置かれ、ゴール後はにぎやかな打ち上げがある。「我が家のようにくつろげる店づくりに努めている」と小島さん。舌や鼻、耳で奄美を感じたいときは店名を記した軒先の赤いちょうちんが目印だ。

(松尾哲司)

 〈ぼれぐら〉鹿児島市山之口町6の16 馬渡ビル1階電話099・225・8033

食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。

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