グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食の達人コラム

カナディアンウイスキー 禁酒法で開花、世界の頂点へ 世界5大ウイスキーの一角・ジャパニーズ(15)

2018/3/30

「クセ」のなさで高い人気を誇るカナディアンウイスキー

 世界5大ウイスキーの一角を占めるに至ったジャパニーズウイスキー。山崎蒸溜所が開設された1923年に産声を上げた、5大ウイスキーの中では最も若いウイスキーだが、世界中でその品質が高い評価を受けるようになった。

 ジャパニーズウイスキーに至る流れを追ってきたこの連載、最も長い歴史を持つと言われているアイリッシュから説き始め、スコッチ、アメリカンを終え、今回からカナディアンに入る。

 アメリカ同様、カナダにおいてもラムの生産は行われていた。しかし、隣国同士ながら、カナダではアメリカで起きたラムからウイスキーへの劇的な転換のような愛国心をかき立てる出来事はなかった。

 もともとカナダに入植し、開拓を進めたのはフランス系の移民たちであったが、その居住地域では、本国政府のワイン、ブランデー保護政策の下、ラム蒸溜もウイスキー蒸溜も禁止されていた。フランス領以外の地域、特にアメリカ、ニューイングランドの北、カナダ東海岸の南部では、ニューイングランドと同様に西インド諸島のサトウキビプランテーションで出た廃糖蜜を発酵・蒸溜するラムづくりが行われていた。

 では、ラムからウイスキーへとどのように移っていったのか?

 カナダへの入植者の最初の狙いは毛皮であった。その次が世界3大漁場の一つ、ニューファンドランド沖のグランドバンクで取れる豊富な魚類であった。そのうちに、農業が発展してくる。農家が狙うのは収穫した穀物の有効活用で、付加価値の高いウイスキーづくりは、まさにそれに該当した。たくさんの製粉所が開業し、製粉工程で出る表皮や胚芽など穀粒重量の15%以上を占める 副産物を原料として利用する蒸溜所が併設されていった。

 アメリカの独立を許した英国は、サトウキビから出る廃糖蜜の流通を制限した。そのような中でラム蒸溜を継続する必然性はなかった。地元で収穫された豊富な穀類、ライ麦、大麦、トウモロコシ、小麦が原料として使われ出したのだ。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL