2018/3/24

若手リーダーに贈る教科書

コンサルタントに期待される成長スピードはきわめて速い(し、多くのコンサルタントがその期待に応えている)。入社後1年経つと中堅、2年経つとベテラン。3年経つ頃には一段上のポジションでの仕事にチャレンジすることが求められる。
(Prologue BCGの成長の「秘伝のたれ」6ページ)

誰のために「成長」したいのか

外資系コンサル会社は、優秀な学生にとっても狭き門です。入社する人は一様に「成長したい」「成長しなければならない」という強い気持ちを持っていますが、なかには伸び悩む人もいるそうです。特に仕事をする主な動機が「成長したい」というものだと、十分な成長が見られない傾向があると著者は指摘します。成長の目的が「給料をあげたい」「褒められたい」といったように「自分への見返り」だからです。

本来、成長は“手段”にすぎない。成長が目的になると、壁に突き当たったときに乗り越えるための力が出ない。自分の成長は自分だけのものなので、自分があきらめてしまうとその頑張りが続かないからだ。
(Chapter.1 スキルを集めるだけでは成長しない 44ページ)

一方、伸びる人は「クライアントの役に立つために成長したい」という気持ちが原動力で、泥くさいことでさえも乗り越える強さを持てるといいます。こうした他者への貢献に対する強い思いと、「何度もチャレンジを継続できる折れない心」「できない事実を受け入れる素直さ」という3つのマインドセット(基本姿勢)が成長の土台になる、と著者は強調します。

学びのアンテナ、常に敏感に

成長のスピードを速めるには、「学びのスイッチが入っている時間を増やすことだ」と著者は述べます。例えば、木村氏は飲食店のカウンターで食事をするとき、料理人の仕事を見ながら質問してしまうそうです。