なお親機の中には、ファームウエアを自動で更新する機能を持つ製品もある。親機を購入したら、まずは最新のファームウエアにアップデートし、さらに自動更新をオンにしておこう。セキュリティ上の脆弱性をなくす更新処理なども自動で実行されるので、あとはほったらかしで済む。
改善策3 ほかの親機との競合を調整
近隣にあるほかの親機が同じ周波数帯の同じチャンネルを使っていると、通信速度が低下する。Wi-Fi機器同士なら混信による通信不能には陥らないが、競合防止の処理をする分だけ、遅くなってしまうのだ。そんなときは、ほかの親機と違うチャンネルを使うように設定変更することで、速度が向上する可能性がある。
実際にチャンネル変更を試す前に、まずはWi-Fiで利用する周波数帯の基本を押さえておこう。
Wi-Fiでは2.4ギガ帯と5ギガ帯の2つの周波数帯を利用するが、それぞれの周波数帯はさらに細かい帯域に分けて管理されている。これらをチャンネルと呼ぶ。

2.4ギガ帯を使う802.11nは13のチャンネルに分かれているが、実際には前後2つ分ずつ(合計4つ)の周波数帯を通信に利用する。完全に重なりを防ぐには、親機同士が2、6、10などと4つ飛びで使う必要があり、数が多いとどうしても重なってしまう。
一方、5ギガ帯の11acでは19のチャンネルを使う。チャンネル番号は36、40、44などと飛び飛びになっており、あらかじめ帯域が確保されている。

基本を理解したら、実際にチャンネルの混雑状況を把握し、親機の設定を見直してみよう。