出世ナビ

学校のリーダー

目指すは日本版MIT 理科大、元アサヒマンが改革 東京理科大学の本山和夫理事長

2018/3/25

東京都新宿区神楽坂に本部のある東京理科大学

理数系を核とした私立大学、東京理科大学(東京・新宿)。1881年に創立、夏目漱石の「坊っちゃん」にも登場する東京物理学校を前身とする名門大学だ。理系の各学部は「留年なんて当たり前」といわれるほど単位取得が厳しく、優秀なエンジニアを輩出する大学として企業の評価も高い。ただ、教育研究費のかかる理系中心の私立大学の台所事情は厳しい。アサヒビール(現在のアサヒグループホールディングス)で物流や経営管理部門を担った元アサヒ飲料社長の本山和夫理事長に大学改革をテーマに聞いた。

■本山理事長 振り出しはアサヒの倉庫

「最大のテーマは安定的な経営ですよ。企業の当期純損益に相当する利益率は2005年の15%からほぼゼロになった(17年度は0.2%の予測)。私立大学では研究のコストは全国でトップクラスだからです。研究費は大事ですからそこは削れない。でも赤字が続けば、大学経営もやっていけません」。15年9月に母校の理事長に就任した本山氏、ミッションは明確だ。アサヒ時代に培った経営のノウハウを活用して財務を健全化し、「世界の理科大」に成長させることだ。マサチューセッツ工科大学(MIT)など米欧の理系トップ大学が目標だ。

現在のアサヒグループホールディングスの泉谷直木会長とは同期入社、同社の副社長にまで登り詰めた本山氏。しかし、決して華やかな会社人生ではなかった。花形の営業マンではなく、「入社して配属されたのは西宮の工場の倉庫。主な仕事は労務管理ですよ」という。

本山氏は理工学部で経営工学を専攻。柔道に明け暮れながら、統計学などを学んだ。「一昔前は理科大は厳しい先生が多くて、留年が多いので有名でしたが、まあ、私も4年で卒業できましたからね。今の学生は講義や研究にも熱心だし、留年率も下がっていますよ」と笑う。それでも現在の留年率は約2割だ。

本山氏の大半の同級生は電機メーカーに就職したが、食品メーカーに魅力を感じて1972年にアサヒビールに入った。当時はキリンビールが王者の時代、アサヒは3番手で、長く「夕日ビール」と呼ばれた。しかし、関西を本拠地としているため、「西宮や吹田の工場は忙しかった。ビールはかさばる商品。工場から倉庫、各拠点への配送をスムーズに回すのは至難の業だった」と振り返る。

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL