2018/4/13

記事

吉井 例えば「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース(為替ヘッジあり 年2回決算型)」はデュレーションが2.4年です。

E この投信の最終利回りは約5%と高いですね。

吉井 国債よりも利回りが高い社債や住宅ローン担保証券を組み入れているからです。デュレーションを下げるには満期までの期間が短い債券を入れる必要がありますが、期間が短い国債は利回りが極めて低いので、少しでも利回りを上げるために社債などを入れています。

E 何か落とし穴は?

吉井 社債は企業が発行する債券なので、景気悪化や業績不振などで企業の財務状況が悪化すると債券価格が下落することがあります。

E そういう意味では、株式と同じ方向に動くこともありそうですね。他に選択肢はありますか。

吉井 米国債を避ける手もあります。例えば「ひとくふう世界国債ファンド(為替ヘッジあり)」は、足元では米国債に投資していません。

E なぜでしょうか。

吉井 この投信は、価格変動の大きさに対してより高いリターンが期待できる国債に投資します。金利動向を見ながら積極的に対象国を入れ替えるのが特徴で、現時点では米国債は魅力的ではないと判断しているようです。結果、足元の値下がりも抑えられています。

E 確かにインデックス型投信よりも下落率が小さいですね。

吉井 短期間で比べているので差はわずかですが、今後も金利上昇が続けば、じわりと差が開いていく可能性があります。先進国債券インデックス型投信の利回りは1.6%程度と非常に低いので、わずかな差にもこだわるのが大事です。

E 債券投信も奥が深いのですね。

吉井崇裕
 イデア・ファンド・コンサルティング社長。ファンド・アナリストとして、国内約4000本の投資信託を常時分析する。モーニングスター、三菱アセットブレインズにてファンド・アナリスト、朝日ライフアセットマネジメントにて販売および運用関連業務に従事。現在はFP法人GAIAのセレクトファンドの選定に携わる。

[日経マネー2018年5月号の記事を再構成]