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多様性が創造力の原点 ロンドンファッションウイーク

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NIKKEI STYLE

パリ、ニューヨーク、ミラノと並んで、ファッションの「世界4大拠点」の一角に位置付けられているのがロンドンです。「ファッション立国」を支える取り組みでも先進的な英国。2018~19年秋冬シーズン向けのロンドンファッションウイーク(2月16~20日)では、装いの選択肢を増やしてくれそうな「着るダイバーシティー(多様性)」が打ち出されました。

RICHARD QUINN(リチャード クイン)

今回の最大のサプライズは、高齢を理由に公務を減らす方向にあるはずのエリザベス2世英女王が、史上初めてロンドンファッションウイークに姿を見せたことです。新設されたファッション賞「クイーン・エリザベス2世・ブリティッシュ・デザイン・アワード」のトロフィーを手渡すのが女王の目的でした。幸運な最初の受賞者となったのは、デビューから間もない新鋭の「RICHARD QUINN(リチャード クイン)」。英国には既にいくつもこうしたファッション賞が設けられていて、伸び盛りの若手を応援するうえで役立っています。

クインが披露したのは、新鋭とは思えないほど大胆でゴージャスな装い。カラフルな花柄をどっさり盛り込んで「柄オン柄」ルックを打ち出し、グラマラスな着映えに仕上げました。ふんわり膨らませたキルティングのロングコート、優雅な裾広がりのポンチョっぽい羽織り物などが朗らかなシルエットを描き出しています。スカーフは顔を覆ったり、結び合わせて服のようにまとったり。服飾の約束事を軽やかに飛び越える発想力にも、チャレンジングな創作態度が感じられました。

JW ANDERSON(ジェイ ダブリュー アンダーソン)

「ユニクロ」とのコラボレーションや、スペインブランド「LOEWE(ロエベ)」のデザインでも知られる実力派の「JW ANDERSON(ジェイ ダブリュー アンダーソン)」は、時間や場面などの条件をねじり合わせてみせました。クラシックな雰囲気を帯びたペイズリー(勾玉=まがたま)模様は鮮やかなマルチカラーでポジティブに。足元は元気な気分のスニーカーで合わせ、そのスニーカーも左右で色を変えています。移民が集まるグローバル都市のロンドンではさまざまな企業やアーティストと交流する機会が多いのも、デザイナーの発想を広げるうえで弾みになっているようです。J・W・アンダーソン氏は自ら若手の写真家を支援するプロジェクトをスタート。成功した先輩が次世代を育てるという取り組みも広がっています。

ミリタリーやワークウエアの雰囲気もハイファッションに持ち込みました。あちこちにファスナーを走らせ、実用イメージを忍び込ませています。一方、ウエストにはリボンベルトを巻いてフェミニンなムードを添えました。性別をぼかす「ジェンダーレス」のアレンジは今回のロンドンで一段と加速しました。小脇に抱えたバッグは両サイドにスニーカーと同じ靴ひも状のディテールが施されています。このようにいたずらっぽいウイットをきかせるのもロンドンらしいところです。

TEATUM JONES(テータム ジョーンズ)

創作のアイデアを導く方法でも興味深い試みが見られました。一般的には旅やアート、映画などから着想を得るケースが多いのですが、男女2人組デザイナーが率いるロンドンブランド「TEATUM JONES(テータム ジョーンズ)」は、仕事や年齢がそれぞれに異なる女性25人との対話を通して、コレクションを組み立てました。2人はロンドンの名門ファッションスクール、セントラル・セント・マーチンズの卒業生。実は先に挙げたクイン、アンダーソンの両氏も同校の出身。学生のうちから着想法までしっかり学べる環境は、ロンドンから次世代を担う創り手が生まれ続ける下地となっています。

2人はインタビューから女性の内面を「喜び、悲しみ、希望」という3つの感情で表現することに決めました。それぞれの感情を色に託しています。喜びは赤やピンクでうたい上げました。流れ落ちるような白のセットアップ(上下そろい)は希望の象徴。余らせた袖先や、たっぷりしたボトムスの裾にも伸びやかな気分が宿っています。女性の気持ちとしっかり向き合う必要性があらためて議論されるようになり、服の作り方も変わってきつつあるようです。

BURBERRY(バーバリー)

英国を代表するブランドの筆頭格と呼べる老舗の「BURBERRY(バーバリー)」は、ダイバーシティーが主役になった今回のロンドンを象徴するショーを開きました。17年にわたって、ブランドを支えたクリストファー・ベイリー氏のラストショーは大きなニュースとなりました。

「LGBT」コミュニティーへの連帯感を示すシンボルカラーの虹色を繰り返し用いて、多様性の大切さを押し出しました。ブランドのロゴも1文字ずつレインボーカラーで彩っています。移民が集まった結果、人種や宗教などの面でも世界有数に奥行きが深くなったロンドンは、モードの担い手にも創作の幅を広げるように促すかのようです。

伝統的なチェック柄で有名なブランドですが、今回はマルチカラーと組み合わせて、新たなムードを醸し出しました。チェック柄のキャップは若々しい表情。代名詞的なトレンチコートもピンクの生地で仕立て、ファニーなたたずまいに。ストリート気分を呼び込んだのも新たなアプローチ。スエットシャツ風のトップスには上からキャミソールワンピースを重ねてたおやかなムードをミックス。街の空気とモードの表現力を響き合わせていました。

ジェンダーを巡る人権や女性への支援・リスペクトが今回のロンドンでは強く打ち出されました。地球環境問題を訴え続ける大御所デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド氏に象徴されるような、ファッションにメッセージを込める手法は大きなうねりになりつつあります。

ファッションウイークは都市それぞれの特質を映し出します。今回のロンドンファッションウイークは、専門教育のサポート態勢やファッション産業支援の地盤が厚い英国の強みを印象づけました。歴史が長い半面、反骨の若者カルチャーが根付き、住民の個性が幅広いというロンドン独特の下地はファッション表現にも深みをもたらしています。街に息づく多様性をファッションで表現し、応援する創り手のマインドこそが最大のトレンドと見えました。

宮田理江
 ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした消費者目線での解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。

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