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木星の南極にサイクロンが集結 なんと五角形に並ぶ

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ナショナルジオグラフィック日本版

米航空宇宙局(NASA)の木星探査機ジュノーが木星の北極と南極を初めて詳細に観察し、多数のサイクロンが集結していることを明らかにした。

両極とも中心に1つの渦があり、そのまわりを取り囲むように複数のサイクロンが規則正しく並んでいた。北極のサイクロンはそれぞれ八角形の頂点の位置に、南極の嵐は五角形の頂点の位置に並んでいる。

2016年7月に木星周回軌道に投入されたジュノーは、可視光と赤外線で木星を撮影してきた。研究者はこの画像を利用し、サイクロンの大きさや温度を測定した。ほとんどの渦は、少なくとも米国程度の大きさがある。

「それぞれの渦の中心点は、見えない五角形の頂点にくるように配置されています」と、学術誌『ネイチャー』に論文を発表したイタリア国立宇宙物理学研究所のアルベルト・アドリアーニ氏は説明する。

サイクロンはそれぞれ動くことはあるものの、(少なくともジュノーが観察を始めてから)一度も消えていない。このように多角形に配置された集団は、太陽系のほかの惑星では見つかっていない。木星の隣の巨大なガス惑星である土星の北極にも六角形の嵐があるが、これは1つの嵐が作っている形である。

「土星にあるような1つの巨大な六角形か、それに似たようなものが見えるだろうと思っていました。ところが実際に見えたのはこれだったのです」と、米コロラド大学ボールダー校のフラン・バジナル氏は言う。

木星の重力場は非対称

『ネイチャー』には木星のサイクロンに関するこの発見のほかに、木星の内部のしくみを論じる3編の論文が掲載された。これにより、木星の模様が表面だけのものなのか、表面下のガスが激しく動いた結果なのか、という長年の論争がようやく終結しそうだ。

「私が生まれる前からあった論争です。ジュノーによる観測が始まるまで、この疑問に答えられるデータは全くありませんでした」と、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のジョナサン・フォートニー氏は語る。

木星の直径は地球の11倍もあるが、自転周期はわずか10時間ほどだ。この信じられないほど高速の自転が、地球の貿易風を激しくしたような風を東向きと西向きに交互に吹かせ、よく目立つ雲の帯を作り出している。けれども、この風が木星の深部まで続いているのか、表面的な気象現象なのかはこれまでわかっていなかった。

ジュノーは初めて、木星の縞模様の皮をむいて疑問に答えることを可能にした。ジュノーは木星のまわりを回りながら地球に電波を送っている。科学者は、受信した電波の周波数のわずかな変化を測定することで、木星の重力場の地図を作り、その内部構造に関する重要な手掛かりを収集できる。

木星内部の仕組みに関する3論文のうち1編は、木星の重力場が非対称であることを明らかにした。木星の北半球と南半球の質量は不均衡だという。

「このままだと木星は洋ナシ形になります」とバジナル氏は言う。「それは1000年後かもしれませんし、数十年後かもしれません。タイムスケールはわかりません」

第2の論文は、この非対称性の原因が激しい風にあるとしている。研究チームは、これだけ大きなものを動かすには、風は深いところで吹いていなければならないと主張する。そしてこの論文と第3の論文によると、木星の表面のパターンと激しい風の帯は、少なくとも木星の表面下3000キロまで達する乱流とつながっているはずだという。

回転するカブ

第3の論文によると、そこからさらに深いところでは、木星内部の巨大な圧力により原子がぎゅうぎゅう詰めになって、回転する固体の球になるという。木星内部の圧力は地球の大気圧の約1億倍だ。バジナル氏によれば、これは、1000頭のゾウを重ね、いちばん下のゾウにピンヒールの靴を履かせて片足立ちさせたときの圧力に等しいという。

木星の圧力がこの大きさになる深さに金属水素の層があり、これが渦を巻くことで木星の磁場を発生させる。さらに深いところ、金属水素の層の内側には、溶融した岩石や鉱物からなるコアがある。

今回の論文が示唆する木星の姿は想像以上に複雑で、何層にもなったタマネギのような構造に思える。「ルタバガ(西洋カブ)の方が似ているかもしれません」とバジナル氏。木星はルタバガのように、別々ではあるがつながっている層からなり、中心に近づくほど密度が高くなる。

木星は土星を含む他の巨大ガス惑星の成り立ちを理解するための鍵になるだろうと、バジナル氏は考えている。

(文 Nadia Drake、訳 三枝小夜子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年3月8日付]

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