テレワークは許可不要、上限なし 日本マイクロソフト日本マイクロソフト 岡部一志業務執行役員(上)

輪島さんは「ワークライフバランスが改善、男女で離職率の差がなくなってきた」という

輪島文さん(以下、敬称略) 会議のやり方も大きく変わりました。今、会議を設定するときは、基本的にオンライン会議ができる状態にしておきます。夕方になると、営業で外出中の社員や、他の部門でも早めに帰らなければならない社員がいますから、オンライン会議で対応するケースがたくさんあるのです。

岡部 そもそも外出先からオフィスに戻る時間が無駄だと。もちろん、社内で会議をしたほうが効率的である場合もありますが、基本的に無駄をなくし、効率面から自由度を高めようということです。

白河 営業が会社にいちいち戻って報告をするのは本当に非効率。他社でもタブレット一枚渡しただけで、格段に移動時間が減り、業務効率が上がった例を見ました。その分お客様に時間を投入できますね。

輪島 会議中は全員がオンライン会議に参加できますので、例えば経営会議で、営業担当の意見が必要になったときは、呼び出して参加してもらうことも可能です。案件ごとにいちいちリポートを作成して上司に提出するのではなく、その場で必要な人から必要な情報を聞き、みんなで意思決定をするのです。その結果、情報確認まで従来は1週間かかっていたのが、3時間で済むようになりました。意思決定も、30分の会議で即断・即決が可能になったのです。

白河 今映像で見せてもらいましたが、便利ですね。担当者が突然経営会議にオンライン招集されるわけですね。これなら会議の準備時間を大幅に削減できますね。スピードも早い。

ワークライフバランスの満足度が上昇

白河 実現できるテクノロジーも制度もある。あとは、それをどうやって定着させるのか、という道をたどられてきたのですね。完全テレワーク導入後、社内では生産性や働きやすさについてどれだけの変化が見られましたか?

岡部 弊社が本社を移転する2011年より前と後の5年間、社内でいろいろ調査をした結果があります。

5年間で社員満足度が向上した

弊社では毎年、社員満足度調査を実施していまして、この表は2015年の結果ですが、ワークライフバランスに対する社員の満足度は2010年よりも40%向上しています(図参照)。事業生産性(社員1人当たりの売上高)も26%増。働きがいも7%上がりました。

特に、ワークライフバランスは、働き方改革を推進する前は、長年大きな課題の一つでしたが、順調に改善しつつあるといえます。女性の離職率も40%減少しました。現在では男女で離職率の差がなくなってきました。

また、事業生産性も大幅に向上しました。営業部門からは、移動時間など無駄な時間を削減できた分、お客様とのコミュニケーションを増やせたという声が上がっています。日本マイクロソフトは営業職が占める割合が大きいことから、時間削減の効果が表れやすかったと思います。

(次回は、働き方改革を進める上で、より成果を出すためのシステムや工夫について、詳しく伺います)

白河桃子
少子化ジャーナリスト・作家。相模女子大客員教授。内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員。東京生まれ、慶応義塾大学卒。著書に「『婚活』時代」(共著)、「妊活バイブル」(共著)、「『産む』と『働く』の教科書」(共著)など。「仕事、結婚、出産、学生のためのライフプラン講座」を大学等で行っている。最新刊は「御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社」(PHP新書)。

(ライター 森脇早絵)