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小沢コージのちょっといいクルマ

レクサスLSの大胆挑戦 「目指したのはボンドカー」

2018/3/23

よりエモーショナルなスタイリングに変更されたレクサス「LS」(税込み980万~1680万円)

2017年後半に発売、1カ月で約9500台受注するなど好調な新型レクサス「LS」。かつて日本でトヨタ「セルシオ」と呼ばれていたフラッグシップセダンの5代目だが、今回驚かされたのは大胆過ぎるスタイルだ。セダン王道の四角いフォルムをやめて、ほとんどクーペとも呼べる流麗なフォルムや車高の低さを獲得したのだ。「目指したモチーフはボンドカー」だと語るチーフエンジニアの旭利夫(あさひ・としお)氏を、小沢コージ氏が直撃した。

◇  ◇  ◇

■「退屈」からの決別

小沢コージ(以下、小沢) 旭さん、僕はLSに米国で最初に乗ったときにすごく驚いたんです。見た目のクーペっぽさもありますが、直前に背の低い人が乗っていたせいか、頭に載せているサングラスが天井に付いちゃった。すごくスタイリッシュだとは思っていましたが、まさかそこまで車高が低いとは。

旭利夫氏(以下、旭) それは前の方が相当シート座面を高く設定されていたんだと思いますよ(笑)。実際には前とそれほど変わってません。

小沢 とはいえ王道の実用セダンスタイルときっぱり決別したのは事実。正直、よくぞここまで思い切った勝負ができたなと。

旭 2012年に豊田章男社長が今のレクサス「GS」を米国で発表した時に、現地ジャーナリストに「レクサスはつまらない」と言われたことが大きいですね。新型LSが生まれるきっかけにもなった「boring(=つまらない)」事件です。

小沢 そんなことがあったんですか。とはいえ、それはあくまでもきっかけですよね?

旭 そう思います。LSについても以前「すごくいいクルマだけどワクワクしない」とお客様に言われることがありまして、私が担当する新型は「フラッグシップとして、ワクワクする感性価値に訴えるクルマづくりをしなければいけない!」というところから始まりました。

小沢 とはいえLSには長年のファンも付いてるし、ある意味お客様を捨てるようなことにもなりかねないと思うんですよ。高級車で最も分かりやすい価値観である「広さ」を一部捨てるわけですから。

旭 確かに思い切りというのはあったと思います。開発コンセプト中にもハッキリと「大胆に」「よりエモーショナルに」というキーワードがありましたから。しかし先ほども言いましたように、新型はお客様が重要視する居住性であり静粛性も決して捨ててはいません。初代LSが貫き通した「二律双生」(一見矛盾する事柄を調和させて新たな価値を生み出すことを意味する造語)、相反するものを高い次元で両立させたつもりです。

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