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World Food Watch

復活チェコワイン 「ビール大国」は白ワインの名産地

2018/3/22

チェコのワイン名産地、南モラビアの有名ワイナリー、ソンベルクのテイスティング風景

 中央ヨーロッパのチェコといえば、ビール大国として知られている。なにしろ、2016年まで24年連続で国民1人当たりのビール消費量が世界一に輝いているのだ(キリン調べ)。さぞかし、国中の人々がビール腹を抱えているに違いないと思いきや、実はビールをこよなく愛するのは首都プラハのある国の西側。東部のモラビア地方は、ワインの名産地だという。

 チェコワインの96パーセントを生産するというモラビア地方でも、特に生産が盛んなのは気候が温暖な南部で、地図を見ればワイン作りが盛んなオーストリアに接している。歴史的にはオーストリア・ハンガリー帝国の一部だったことがあるエリアで、南モラビアのワインはハプスブルク家の女帝マリア・テレジアの宮廷に献上されたこともあるのだ。

 それほどのワインの産地も、約30年前まで共産主義国であったことからワイン作りの伝統が断絶。しかし、近年はそのクオリティーの復活が目覚ましく、国際的な賞を受賞するようになってきた。

 緯度が高いことから生産されるのは主に白ワインで、2017年には、英国の有名ワイン誌『デキャンタ』が主催する「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ」で、最もよく知られたチェコの地場品種パーラバを使った白ワインが、ドライ・アロマティック部門で最高となるプラチナ賞を受賞している。ブドウ畑としての起源は13世紀に遡るというワイナリー、ソンベルクのもので、ここは南モラビアでも屈指のワイン生産地ミクロフにある。地場品種の名前の由来である「パーラバの丘」と呼ばれるなだらかな丘陵地が広がるエリアだ。

「パーラバの特徴は、ワインに詳しくなくてもとにかく『おいしい』って思えることなんです」と話すのは、チェコワインを専門に輸入するプシトロス代表の遠藤まゆみさん。2010年頃からこの国のワインの輸入を手がけるようになった。

 元々はチェコビールを中心に扱っていたが、仕事をするうちにモラビアのワインと出合い、今では事業の軸足はすっかりワインに。「それまではワインにはほとんど興味がなくて、出されたものを飲むぐらい。高級ワインを飲むわけではないので、大抵白ワインというと酸味が強くて酸っぱかった。でも、チェコの白ワインは『辛口』と言われるものでもどちらかと言うと甘い。香りもフルーティーで、飲みやすいんです」

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