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正しいことを正しく言うことが正解とは限らない。写真はイメージ=PIXTA

正しいことを正しく言うことが正解とは限らない。写真はイメージ=PIXTA

正しいことを正しく言う。話す側にとって気持ちの良い瞬間です。しかしその結果、それまで築き上げたものが台無しになることがあるのも事実です。論理的に導き出した正しい結論を、適切なタイミングでストレートに伝えることの重要性をふまえつつ、さらにワンランク成長するための「説明力」のポイントをご提示します。

論理的に正しい結論がクライアントを激怒させそうに

実は私自身、論理的に導き出した正しい(と思われる)結論をストレートに話すことで、大失敗した経験があります。

ちょうど30歳になったあたりで、外資系コンサルティングファームのマネジャーだった私は、あるプロジェクトのサブリーダーを務めていました。リーダーは私よりも経験を積んだ30代半ばのシニアマネジャーで、私ともう一人のマネジャーがサブにつき、その下にそれぞれ3人くらいのスタッフがいました。

売上高数兆円以上の大企業子会社であるそのクライアントは、私たちに自社の経営戦略策定についての支援を依頼していました。金額的にも1億円を超える大きなプロジェクトでした。私はその中でも、競合他社との比較や親会社との役割分担、顧客認知度やサービスレベルなどについて分析する部分を担当していました。

3人の部下に対してインタビューや分析の指示をし、2カ月ほどをかけてある結論が導き出されました。私も部下たちも、たしかにこの結論以外はありえない、と考えました。その結論は実はとても厳しいものだったのですが、分析の結果だけでなく、実感としてもたしかにそれはそのとおりでした。

第1回のクライアント経営層報告会でシニアマネジャーが報告をします。私のチームのパートが説明されたとき、厳しすぎる結論に対してクライアントの役員の一人がこう質問されました。

「この分析結果だと、わが社の強みはほとんどない、ということになりますね。実際に分析を担当された方のご意見としてはどうですか?」

そこで私は即座にこう答えました。

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