仕事の中身は変化する ロールモデルにとらわれるな
そごう・西武執行役員 釣流まゆみ氏
釣流まゆみ・そごう・西武執行役員
管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。8人の女性管理職が交代で執筆します。今回は、そごう・西武執行役員の釣流まゆみ氏です。
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読者の皆様、特に女性の方々は「ロールモデル」という言葉に共感しますか? 私はどうもピンときません。
人はそれぞれ個性を持っています。それぞれが思うステップアップのスピードや目標は違うと思っています。型にはめることは害こそあれ、得にはならない。そう信じています。
時代によって仕事の中身や役割は変わっていきます。しかもその速度は上がり続けています。ロールモデルに当てはめようとすることは、それに逆行しているように感じます。「このような時にはこうあらねばならない」という固定観念に縛られていては、自分も成長しないし、会社も伸びないと考えています。
私は30代のときに悩んでいました。大好きな売り場から出され、販売促進業務を担当していました。販促は憧れの存在と言われていましたが、私の将来像に販促はありませんでした。
自分の進むべき道はここにあるのか、それとも違うところにあるのか。先輩・上司をみて「あんなに人になるべきだ」「あんな仕事をすべきだ」と思いました。でも、同じようにはできませんでした。ロールモデルは遠い存在で、自己嫌悪に陥り、辞めたいといつも思っていました。
そんなとき、社内公募がありました。大好きな売り場に戻れるチャンスでした。「もう一度、原点に戻り、それでも悩むようだったら辞めよう」と思いました。