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カツオの「タタキ」、由来は? 本場高知は塩で味わう

生を焼くか解凍してから焼くかで味が大きく違ってくる=PIXTA

ところで「カツオのタタキ」をよりおいしく味わうにはタタキの選び方にコツがあるという。高知ではとにかく生から焼いたものを食べることがおすすめだ。なぜなら味が全く違うから。

一番おいしく味わえるのは、とれたての生のカツオをワラ焼きにしてそのまま食べる味わい方。次が生をワラ焼きにしてから冷凍したものを解凍して食べる方法。その次は冷凍物を解凍してワラ焼きにしたもの。生をその場で食べるのが一番ぜいたくな味わい方だから、漁場の近い高知に来たら生のタタキを食べるのが正解なのだそう。

実際に、高知市内にあるひろめ市場の食堂では、冷凍ものを使う日は値引きになるらしい。それほど味の差が歴然ということだろう。

新鮮な状態で水揚げされたカツオ=PIXTA

また、新鮮なもののなかにも時々ハズレのカツオもあるらしい。土佐弁では「生臭い」ことを「ゴシイ」というが、新鮮なカツオのなかにも時々「ゴシイ」ものが混ざってしまう。これは鮮度には関係なく個体差なのだそう。同じ食堂には「十分気をつけていますが、もし混ざっていたらごめんなさい」という意味の張り紙があった。

高知で生のカツオが食べられるのは漁場が近いからというのも理由に挙げられる。通常カツオ漁は遠洋で行われるため釣り上げたらすぐに冷凍する。しかし高知近海の漁でとれたものはその日のうちに港へ持ち帰るため、新鮮な状態で水揚げができるからだ。

ひろめ市場ではワラ焼きの実演も見せていただいた。焼いている時間はごく短く、時間にして1分ほどだろうか。高知では焼いたカツオを氷でしめずにあたたかいままタタキにする「焼き切り」という食べ方もあるが、ここでは焼いて氷でしめ、中まで火が入っていかないようにしていた。生のおいしさを味わってほしいからだ。職人によっても皮目を5ミリだけ焼く、3ミリだけ焼くなど焼き方もさまざまだという。

カツオのタタキを食べるときには生ニンニクスライスをお忘れなく=PIXTA

冷凍でないとペイできないから冷凍を使う店も多いというが、生から焼いたワラ焼きのおいしさは格別だから、生にこだわるという。ちなみにカツオは足が早いので生を買った場合は、できればその日のうちに、遅くとも次の日には食べるのがおすすめだ。

高知市内ではカツオのタタキ専用の塩というのも販売されていた。あるものはガーリックの粉末が入っていたり、またあるものは結晶の大きさが異なるものをブレンドしていたり。これも塩タタキが主流の高知ならではのこだわりだろう。

「カツオのタタキ」を極めるなら、この春はぜひとも生からあぶったものを選び、塩で味わってみてほしい。きっとタタキの概念が変わるようなおいしさに出合えるはずだ。お供には生ニンニクスライスをお忘れなく。

(日本の旅ライター 吉野りり花)


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