グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食の豆知識

カツオの「タタキ」、由来は? 本場高知は塩で味わう

2018/3/21

塩タタキ ポン酢ではなく塩で食べる

 季節はもう春、もうすぐ4月。江戸っ子がこよなく愛したことでも知られる初ガツオのシーズンがやってきた。カツオ料理の代表選手といえば「カツオのタタキ」だが、なぜ「タタキ」という名前になったのだろうか。今回はその謎を追ってみた。

 カツオは春になると高知県沖の黒潮を北上し、秋になると反対に北から南に戻ってくる。春のものが初カツオ、秋のものが戻りカツオと呼ばれ、1年に2回旬がある。漁場の黒潮に近い高知県は日本有数の産地であり、カツオ料理の本場だ。総務省の家計調査によると都道府県別消費量ランキングでダントツの1位を誇るのも高知県。高知県は日本一カツオを食べる県なのだ。

 土佐料理を代表するものといえば「カツオのタタキ」。新鮮なカツオのウロコをそぎ落とし、5枚におろして節にしたものの表面だけをサッとあぶってからスライスし、薬味をたっぷり添えて味わう豪快な漁師料理だ。あぶった皮目は香ばしいが、内側はレアなままで刺し身同様にトロトロ。このふたつの味わいが口の中で混然一体となり、たまらないハーモニーを奏でる。もちろん薬味にはネギをちらして、ポン酢をジャバっとかけて……と想像した方、ちょっと待って。高知では味わい方もひと味違うのをご存じだろうか。

カツオのタタキというとポン酢で食べるのが一般的だが…

 高知ならではの食べ方はポン酢ではなく塩。そして「塩タタキ」のお供に欠かせないのはスライスした生ニンニクだ。薬味もたっぷり添えて。一切れに生ニンニクスライスを2~3枚のせるくらいでちょうどいい。ニンニクの力強さと塩のパンチが、味のしっかりしたカツオをもり立てて、驚くほどうまい。この「塩タタキ」は古くから土佐の漁師に伝わる食べ方だ。

 ところで皮目をワラでサッと焼いた料理をタタキと呼ぶと思っている人が多いが、これはあくまでも「カツオのワラ焼き」という料理だ。では「カツオのタタキ」とは何かというと、文字通りたたいて調理すること。昔、まだ塩やタレといった調味料が高価だった頃、漁師の家のおばあちゃん達は自分の手にタレや塩をすりこみ、たたいて味をなじませた。少ない調味料で味をしみこませる知恵だったのだろう。つまり包丁や手でたたいて作ったものこそが「カツオのタタキ」と言えるのだ。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL