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転ばぬ先の不動産学

「家賃と返済が同額なら購入を」? 業者の誘惑に注意 不動産コンサルタント 田中歩

2018/3/21

写真はイメージ=PIXTA

「毎月の家賃と住宅ローンの返済額が変わらないなら、住宅を買ったほうがお得です」。不動産業者のこんなセールストークを様々なところで聞きます。売却物件の資料にも「頭金0円、毎月8万円の返済で購入が可能」といったテキストが躍っているのをよく見かけます。しかし、これらの宣伝文句にはいくつかの注意点があります。住宅ローンの返済以外の支出や金利変動リスクなどに言及していないからです。

■固定資産税や都市計画税、23区は月1万円

住まいを所有する場合、まず固定資産税や都市計画税が毎年かかります。立地や規模、建物の築年数にもよりますが、東京23区内の一般的なファミリーマンションや一戸建てであれば最低でも月額1万円程度はかかるでしょう。この費用は物件の資料に記載されていることはまずありませんので、不動産業者に必ず確認しておきたい点です。

マンションの場合、これ以外に管理費と修繕積立金を毎月支払わなければなりません。こちらも規模や築年数によって異なりますが、築15年程度のファミリータイプであれば、管理費と修繕積立金で月額2万~3万円程度はかかると思います。さらに、修繕積立金が時間の経過とともに上昇する問題もあることは、2月7日のコラム「マンションの修繕積立金 適正水準と今後の上昇幅は?」で解説しています。このため「中長期的には毎月の支出は増える」という前提でマンションの取得を考えなければならないのです。

■一般的な戸建ての修繕費は150万~200万円

戸建ては管理費や修繕積立金を支払う必要はありませんが、一切修繕をしなくてよいわけではありません。どんな建物でも10~15年ごとに屋根や外壁の防水塗装などを実施しておくと長持ちするといわれており、その費用は一般的な一戸建てで150万~200万円程度とされています。つまり、戸建ての場合でも少なくとも毎月1万円程度の修繕費用を積み立てたほうがよいのです。ちなみに、修繕しないままだと手の付けようがなくなったり、想定以上の修繕費用がかかったりする恐れもありますので注意が必要です。

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