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タクシー運賃、自由じゃだめ? 配車増えれば効率向上

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NIKKEI STYLE

雨や雪の日に駅前でタクシーに乗ろうとすると乗り場に行列ができていることも珍しくありませんが、それでも運賃が上がることはありません。日本のタクシー運賃は認可制で、運賃を柔軟に変えるのは難しい仕組みになっているからです。

こうした日本のタクシー料金に対し、世界でライドシェア(相乗り)サービスを展開する米ウーバーテクノロジーズは疑問を呈しています。ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者は2月、「当社が参入するだけで生産性を高められる。特に効果が大きいのは『ダイナミックプライシング』のシステムだ」と述べました。これは雨天時など需要が大きくなったときに機動的に運賃を上げる仕組みで、ウーバーは米国などで導入しています。

日本のタクシー運賃が固定的なのには理由があります。大都市圏では公共の乗り場に来た人や道で手を上げた人を乗せる「流し営業」が大半です。乗ってから高い運賃だったことに気付くようだと、乗客は困ってしまいます。だれもが利用する公共交通機関なのだから、運賃がころころ変わるのは望ましくないという考え方があります。

ただタクシーの乗り方も変わりつつあります。スマートフォンなどを使って指定の場所に車を呼ぶ配車が増えているのです。タクシー運転手歴29年の男性は「東京の渋谷区や世田谷区あたりだと、流しよりも配車のほうが利用者が多くなった」と話しています。配車なら乗る前に運賃を確認できます。

米スタンフォード大学のフアン・カスティージョ氏らは配車利用が増えた場合、タクシー運賃はダイナミックプライシングが望ましいという研究結果を発表しています。配車だと利用者を迎えにいく必要があるので、需要が急増する局面では客を乗せている時間よりも迎車にかける時間のほうが長くなります。こうしたときは運賃を上げて需要を減らせば、客の待ち時間と客を乗せずに走っている車の両方を減らすことができ、全体の利用効率が高まるそうです。

これに対し、需要が多いときの価格が上がりすぎるとの懸念からダイナミックプライシングに反対する意見も強くあります。東京経済大学の青木亮教授は日本への導入に「かなり問題がある」と話しています。

タクシー各社は2月、ソニーやトヨタ自動車といった異業種と組んで配車アプリ開発に乗り出すと相次いで発表しました。国土交通省は迎車料金を時間帯によって変える制度の実証実験を検討しています。配車が増えた先にタクシー運賃のあり方が変わるのかはまだ見通せませんが、デジタル技術の進化が一石を投じているのは確かです。

青木亮・東京経済大学教授「自由運賃だと不当に高くなる」

タクシー業界には公共交通であるという理由から多くの規制があります。公共交通における運賃の考え方などについて東京経済大学の青木亮教授に聞きました。

――ウーバーのようなダイナミックプライシングを日本に導入することをどう考えますか。

「私は問題がかなりあると思う。だれでもいつでも決められた料金を払えば使えるというのが公共交通の特性だからだ。さらに独占禁止法の考え方がある。(消費者にとって)交通サービスは普通の財と違い、その場で消費するしか選択肢がない。例えば、スーパーで水を買うときには、値段が高くてもその場で買うことができるし、毎日値段をチェックして安いときにまとめて買うこともできる。水は保存しておけるので、値段の高い水を買うのか、安い水を買うのか、選択肢がある。これに対し、交通サービスはあらかじめ買っておくことができず、その場で消費するしかない。そのため、供給側は不当に高い運賃を設定することができてしまう。それでは消費者が困るので、例えば週末の夜など需要が多くなるときには、運賃を上げるのではなく、供給量を増やして対応しなさいということになっている」

――タクシー以外の公共交通でも運賃は固定すべきなのでしょうか。

「飛行機など需給で運賃が変わるものはある。しかし、あくまでも正規料金が上限となって、需要が少ないときに値引くという形だ。正規の運賃でお客さんが少ない場合には、空気を運ぶよりは割り引きしてお客さんに乗ってもらったほうがいい。(乗客が一人増えたことで増加する燃料費や機内サービスのための費用など)限界費用に相当する部分だけ払ってくれればいいという考え方だ」

「明らかに追加の費用がかかることが分かっている場合に、事前に周知した上で運賃を上げることもある。タクシーでは、深夜は追加の人件費などがかかるため、深夜割増運賃を設定している。日本では行われていないが、鉄道でラッシュ時の利用者のために線路の本数を増やしたのであれば、その費用の原因となった利用者に負担してもらうため、ラッシュ時の運賃を上げることもあり得る」

「タクシーは利用したい人が増えても、利用者1人を乗せるための費用は変わらない。需要が増えても追加の費用がかかるわけではないので、単純に需給によって価格を変えるダイナミックプライシングの導入は難しいだろう」

(久保田昌幸)

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