『徹子の部屋』が42年愛される理由 今も生放送感覚

日経エンタテインメント!

収録は月曜と火曜で、月曜に3人、火曜に4人撮影する。CMが入る時間も、生放送と同じように1回トークを止める。「エンディングで『♪ルールル』と音楽が流れると、みなさんホッとされます。ただ、ここが『魔の30秒』と言われていて、結構徹子さんがむちゃ振りするんです(笑)。大泉洋さんは『じゃあモノマネして、田中角栄!』と言われてました(笑)」

エンディングでむちゃ振り

プロデューサーの田原敦子氏は、以前は『世界の車窓から』などを担当。「徹子さんは夜にお強いので(笑)、深夜の『徹子の部屋』もやってみたいです」。写真は、テレビ朝日本社1Fにある「徹子フィギュア」とともに

『アメトーーク!』で「徹子の部屋芸人」企画が生まれたり、今でこそ親しみの持てる番組になったが、田原氏が担当するようになった15年前は、状況が違っていた。視聴率が落ち込み、改革が必要な時期だったという。「『徹子の部屋』は、それまで報道局の番組だったんです。私が異動したのと同時に、バラエティー班になって。当時、何となく風通しが悪いというか、長く続いている番組なのに、ポスター1枚なくて、これは変えなければいけないと思いました」

ゲストは、伝統芸能の人や芸術家が中心だったが、宣伝部と連携して、新ドラマに出演する旬の俳優をキャスティングしたり、お笑い芸人も呼ぶようになった。「徹子さんは落語がお好きで、『今のお笑いはつまらないわ』と言っていたんです。なので、『つまらないと言っていただいて構いませんから』と(笑)。そのうちに、率直にものを言う徹子さんが『面白い』となり、若い人にも注目してもらえるようになりました」

長年築いた信頼関係から、病気を告白するゲストがいたり、マイク眞木と前田美波里のように、元夫婦がそろって出演したりと、『徹子の部屋』ならではのエピソードには今も事欠かない。一時は低迷したが、番組内容は変えずとも、見せ方やアピールの仕方を柔軟にしたことで風向きが変わった。地位のある長寿番組でもさらに成長できることを示した好例だ。

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2018年4月号の記事を再構成]

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