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実は寮や老朽オフィス リノベホテル、訪日客が注目

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都心部の老朽化したビルをホテルに転用する例が増えている。こうしたホテルの多くは、元の物件の特徴を効果的に活用するなどして、個性的なデザインを打ち出している。

背景には、訪日外国人の増加による宿泊施設の供給不足がある。一方、都市部では、使われていないオフィスビルなどを安価な家賃で借りられるケースが増え、ホテル運営で利益を上げやすい環境が整ってきた。

葛飾区の職員寮を改装

映画「男はつらいよ」の舞台となった東京・葛飾区柴又。映画にも登場する寺院の帝釈天から歩いて3分ほどの場所に、「Shibamata FU-TEN Bed and Local」はある。FU-TENは、長く使われていなかった葛飾区の職員寮をリノベーションしたホテルだ。

柴又周辺は、帝釈天に続く商店街や江戸川を船で渡る「矢切の渡し」など、多くの人が訪れる観光スポットとなっている。しかし、周囲に宿泊施設がないことが課題だった。

オープンしたのは2017年3月。それなのに客室が古びて見えるのは、以前の建物のたたずまいをあえて残しているからだ。壁は塗装し直したり、タイルを貼ったりしているが、よく見ると傷やへこみも目立つ。天井はコンクリートがむき出しで、電気の配線が走る。「建物の歴史を含めて宿の魅力を体験してほしい」とFU-TENの佐藤あずさマネージャーは語る。

宿泊料金は比較的安価に設定している。ツインの宿泊料金は1人3600円から。長期宿泊者向けには割安なプランも用意する。

訪日外国人の利用を想定しているため、全33室のうち18室を和室タイプとし、日本情緒を感じられるようにした。和室タイプの部屋では、畳の上に布団を敷くのはもちろん、天井から裸電球を垂らし、昔ながらの日本の家の雰囲気を演出している。

広い共同利用型キッチンも外国人客に好評だ。「日本ではハラルフードが普及していないため、イスラム教徒の宿泊客が、食材を持ち込んで調理する姿をよく見かける」(佐藤マネージャー)

週末はほぼ満室の状態が続き、外国人客の割合は2~3割を占める。「柴又は、訪日外国人にまだそれほど知られていない。今後、海外向けの情報発信を強化していけば、さらに外国人客が増える」と佐藤マネージャーは期待する。

一方、17年4月にオープンしたホテル「LYURO 東京清澄-THE SHAREHOTELS-」は、隅田川沿いにある築28年のオフィスビルをリノベーションした。オフィスビル当時の窓をそのまま残したのが特徴だ。一般のホテルの客室よりも窓が大きいため、室内は明るく開放感がある。この窓から隅田川を一望できるのも魅力だ。

ホテルの随所に川や水にちなんだデザインを施すことで、個性を打ち出している。アクセントカラーとして水を想起させるブルーを採用し、建物全体に統一した雰囲気をつくり出している。例えば、廊下の壁や床はブルーのグラデーションで彩り、廊下を歩くと水の中に深く潜っているような気分を味わえる。

4人部屋の壁には、浮世絵師の葛飾北斎が描いた船や橋などをモチーフにした柄をあしらった。2人部屋の壁には、隅田川の水を実際に使って描いた柄をアレンジした。

都内中心部へのアクセスが良いこともあり、週末はほぼ満室で外国人客は6割を占めるという。

地域の魅力をコンテンツ化

これら2つのホテルには、周辺地域と密接な関係を構築しているという共通点がある。

FU-TENは、1階のパブリックスペースを地域住民に開放している。毎月1 回開くパーティーでは、宿泊客や地域住民が料理を持ち寄って交流するという。宿泊客には、周辺の観光スポットや飲食店などを積極的に紹介し、地域経済にも貢献している。

LYUROでは、地元で活動するアーティストの作品を1階のギャラリーに展示したり、クラフト作家の作品を販売したりしている。同ホテルを運営するリビタの岡田尚子・ホテル事業部ディレクターは、「このホテルでしかできない体験を提供するには、地域のクリエーターや飲食店と時間をかけてネットワークを築き、彼らを巻き込んでイベントなどを企画する仕組みが重要になる」と語る。

訪日外国人の急増を受け、大手ホテルチェーンが出店ペースを上げているほか、異業種からのホテル事業への参入も相次いでいる。それほど遠くない時期に、供給が需要を上回る可能性もある。そのときホテルが生き残るには、地域の魅力を発掘し、コンテンツに変えるデザイン力が求められる。

(日経デザイン 太田憲一郎)

[日経デザイン 2018年2月号記事を再構成]

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