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ももクロ、4人の再出発 「もっと面白くできるはず」

日経エンタテインメント!

2018/4/6

 5月に結成10周年を迎えるももいろクローバーZ。1月に有安杏果が突然卒業し、4人での再スタートを余儀なくされた。だが、メンバーの表情は驚くほど明るい。2月に行われた新体制で初めてのライブでは、自らの意思で過去の曲の振り付けを一新して見せた。ももクロのマネジャーでプロデュース的な役割も担う川上アキラ氏は、4人を動かしているのは危機感ではなく、「自分たちならもっと面白いものができるはず」という期待値だとみている。

(写真:アライテツヤ)

 2008年の結成当初こそメンバーの入れ替わが激しかったももクロだが、11年に早見あかりが脱退してからはメンバーの変更はなし。そこからの7年間、前代未聞ともいえる様々な「挑戦」を5人で続けてきた。特に17年は、初の味の素スタジアムライブを成功させながら、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「MTVアンプラグド」などにも出演。5人のライブパフォーマンスの高さが改めて評価された1年だった。

 そんなときに起きたのが、有安の卒業。しかし、「メンバーはみんなポジティブですよ」と、川上氏は言う。「この状況はもう変えられない。それなら自分たちにとってどうすれば一番いいのかを、4人はスタッフ以上に考えている」

早見あかり脱退時とはまったく違う

 早見の脱退時と今回がまったく違うのは、この本人たちの取り組み方だ。7年前は早見脱退後、「Z」への改名、翌日から7日間連続のトークイベント「試練の七番勝負」開催など、マネジメント側が主導。メンバー脱退の余韻を本人たちもファンも引きずらないようにするとともに、残る5人へとスポットが当たる演出を施した。

 一方、今回新しい振り付けを始めたのは「抜けたところを埋めるだけじゃダメだ」というメンバー4人の意志によるものだ。川上氏は「タレントはセルフプロデュース力が重要」と日ごろから語っているが、そのイズムがしっかりと4人には浸透している証といえるだろう。

 しかも、「今の彼女たちを動かしているのは危機感ではなく期待値」だと川上氏はみている。「自分たちならもっと面白いものができるはず、という強い気持ちを感じました。実際に僕も『サラバ、愛しき悲しみたちよ』の振り付けが完成したときに、次元が上昇した4人のももクロが見えたと思いましたから」

 2月10、11日に行われた新体制での初ライブ「バレンタインイベント」2日間で披露したのはソロ曲を除くと全部で15曲、3月3日から始まった全都道府県を回る「ジャパンツアー『青春』シーズン3」ではさらに12曲を新たに披露した。40日間で27曲の歌い分けとダンスを一新した計算だ。今後は4月21、22日に「ももクロ春の一大事2018 in 東近江市」、5月22、23日には東京ドームで10周年記念公演と、大規模ライブが目白押し。数多くの曲を作り直していく作業は、まだまだ続いていくことになる。

 「10周年の年に、再びスタートラインに立ってまた一から作っていくのは面白いし、うちらしいんじゃないですか」と川上氏は笑う。「ももクロはロードムービー。一緒に進んでいく、同じ風景をみんなで見ていく物語ですから」

(日経BP社デジタル編集部編集委員 大谷真幸)

[日経エンタテインメント! 2018年4月号の記事を再構成]

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