AIスピーカーに一言で返済完了 米の最速住宅ローン米国マネー事情(2)

週末に公開される売り出し中の住宅(メリーランド州)。販売会社の担当者は、「税制改革の影響は今後出るかもしれないが、足元では販売は好調」と話す
週末に公開される売り出し中の住宅(メリーランド州)。販売会社の担当者は、「税制改革の影響は今後出るかもしれないが、足元では販売は好調」と話す

フィンテック(金融と情報技術の融合)による技術革新が進む米国では、煩わしい作業を伴う住宅ローンの分野でも便利なサービスが出てきている。

米住宅ローン大手クイッケン・ローンズ(ミシガン州・デトロイト)は、オンラインで非常に早く住宅ローンの契約ができるサービスの「ロケット・モーゲージ」を手がける。このロケット・モーゲージが、昨年12月に人工知能(AI)を搭載する米アマゾン・ドット・コムのスピーカー、「エコー」による新たなサービスを発表した。

ローン残高や金利まで、話しかければ分かる

メリーランド州の文具店で販売されるアマゾン・エコー。小型の「エコー・ドット」(向かって左)は約50ドル、「エコー」(右)は約100ドル。店員によると「安いドットの方が売れている」という

ロケット・モーゲージのウェブサイトには、こんな動画が掲載されている。夜にソファでテレビを見ながらくつろぐ妻。そこに夫がやってくる。「住宅ローンの支払い、覚えてた?」と妻に聞かれ、夫は少し嫌な顔をして立ち上がろうとする。パソコンを立ち上げて振り込みの作業をしよう、でも面倒だ、とでも思っている様子だ。だが、立ち上がろうとする夫を妻が即座に止める。そして一言、「アレクサ、ロケット・モーゲージの支払いをお願いね」とエコーに向かって話す。これでローンの支払いは終了。2人はソファでくつろぎ続ける……。

ロケット・モーゲージなら、ピザの注文やレストラン検索など他のアマゾン・エコーを使ったサービスと同様、住宅ローンさえもハンズフリーで管理できる。手続きは簡単だ。アレクサのアプリを開き、ロケット・モーゲージのスキルを選択。スキルとは追加機能のことで、スマートフォン(スマホ)でいえばアプリに相当する。次にロケット・モーゲージのユーザーネームとパスワードを入れて、暗証番号を作成。後はアレクサに話しかけるだけ。支払期限や金額、残高など自分のローンの情報や、現在の金利も「アレクサ!」と言ってエコーに尋ねれば、ほんの一瞬で回答が得られる。

完全オンラインのロケット・モーゲージは、2015年にリリースしたサービスだ。エコーでのサービスを発表する以前から、ローン自体の契約が早くて簡単、先進的だと注目されていた。ローンを組む際の面倒な手続きを省き、スマホで名前や生年月日、社会保障番号などの個人情報と物件情報を入力すれば、わずか10分以内に、いくらまでの借り入れが可能かを記載した承認が得られる。これにより、どんなローンが組めるのかが判断できる。

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