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「記憶は睡眠で定着する」はウソ?ホント?

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日経Gooday(グッデイ)

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!

【問題】「記憶は睡眠で定着する」はウソ? ホント?

(1)ホント

(2)ウソ

(3)どちらともいえない

正解は、(3)どちらともいえないです。

睡眠によって定着する記憶もあるが……

「眠らないと記憶は定着しないから、試験前の一夜漬けは効果がない」といった話を学生時代に聞いたことがある人もいるかもしれません。ところが、これは必ずしも正しくないようです。日本大学医学部精神医学系教授の内山真さんは「普段勉強していない学生は、徹夜して試験に臨んだほうが絶対にマシ」と断言します。

「日頃から勉強している学生は、試験中に頭が回るように、もちろんきちんと睡眠を取るべき。でも、もともと知識がないのであれば、眠る時間を削って少しでも詰め込んだほうがいいのは、経験からも分かりますよね」(内山さん)

では、しっかり記憶を定着させるにはきちんと睡眠を取ったほうがいいのでしょうか。内山さんによると、「必ずしもそうとは言い切れません。諸説あって、はっきりした結論は出ていないんです」とのこと。いったいどういうことなのでしょうか。

まず、記憶には大きく短期記憶と長期記憶があり、さらに長期記憶は陳述記憶(顕在記憶)と手続き記憶(潜在記憶)に分けられるそうです。

短期記憶とは、音声で聞いた電話番号を覚えて電話をかけたり、パスワードを覚えてパソコンに入力したりするときの瞬間的な記憶のこと。次の作業に入るときには忘れてしまうものです。一方、長期記憶とは時間が経っても残る記憶で、このうち知識や体験など言葉にできるものを陳述記憶、泳ぎ方や自転車の乗り方など言葉にしにくいものを手続き記憶と呼びます。

内山さんによると、長期記憶のうち、「陳述記憶ははっきりしませんが、スポーツや楽器の演奏などに関係する手続き記憶は、睡眠をしっかり取れば定着することが分かっています」という。

手続き記憶が練習後に睡眠を取ることで定着度が高まることは、イスラエルのワイツマン研究所の研究により実証されています(Science. 1994 Jul 29;265(5172):679-82)。内山さんによると、例えばゴルフの打ちっ放しに行って、何時間練習してもその日は上達が感じられなかったのに、翌日やってみると急にうまくなっていた、などということが実際に起こるそうです。

手続き記憶は練習したその夜に眠ることが大切。一晩徹夜して、翌日にしっかり眠っても定着しません。つまり技能の上達が見られないそうです(Nat Neurosci. 2000 Dec;3(12):1237-8)。

睡眠には大脳が活動して夢を見ている状態の「レム睡眠」と、活動せずに休んでいる「ノンレム睡眠」があります。内山さんによると「手続き記憶の定着はノンレム睡眠中に起こっている可能性が高い」そうです。

「脳の中に技能(手続き記憶)を定着させるため練習を繰り返すと、それに関連した太い神経ネットワークができますが、同時に細い雑多なネットワークもいくつもできてしまう。しかし、後者の細いネットワークは、定着した技能を発揮させるにはノイズのような邪魔な存在になり得る。ノンレム睡眠中には、こうしたノイズが刈り込まれ(消されて)、太いネットワークだけが残ることによって、手続き記憶がしっかり定着するのではないか、と考えられています」(内山さん)

ゴルフのスイングや楽器演奏など、熟練が必要な動作については、寝る前の練習が上達を早めるために効果的なのかもしれません。

また、滋賀医科大学精神医学講座准教授の栗山健一さんらの実験から、短期記憶の能力も睡眠によってアップすることが分かっています。

この検証に使われたのは「Nバック課題」というものです。4つの電球のうち、1つだけを消しておき、次々とパターンが変わる中、前回は何番目が消えていたか、前々回はどうだったか、と何回前まで答えられるかを判定する短期記憶力のテストです。テストは7~10時間のインターバルを取って3回行われ、間に睡眠をはさむと成績が明らかに良くなったそうです(J Neurosci. 2008 Oct 1;28(40):10145-50)。

イヤなことがあった日は眠れなくてもいい

まとめると、受験勉強のように知識を覚え定着させる陳述記憶との関係はまだはっきりしませんが、技能を習得する手続き記憶や短期記憶の能力は睡眠を取ったほうが上がるようです。一方、イヤなことがあって眠れないときは「忘れるため」と思って、無理に眠ろうとしないほうがいいのだそうです。

何かイヤなことがあると「さっさと眠って忘れてしまおう」と思うかもしれませんが、そういうときに限っていつまでも眠れず、布団の中で悶々としてしまうことも多いでしょう。しかし、内山さんは「むしろ、そのほうがいいのです」と言います。

先の栗山さんらの実験では、陰惨な交通事故のビデオを繰り返し見せた後、眠った場合と徹夜した場合の翌日の反応を調べてみたそうです。翌日、自動車を見たときの恐怖感や発汗などのストレス反応は、徹夜した人たちのほうが少ないことが分かりました(Biol Psychiatry. 2010 Dec 1;68(11):991-8)。

どうやら恐怖の記憶は睡眠によって定着するようなのです。イヤなことがあって眠れなくなるのは、それを忘れるための本能的な防御反応なのかもしれません。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2018年3月12日付記事を再構成]

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