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ロボット、EV… 人気のテーマ型投信、買っていい? QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2018/3/14

写真はイメージ=123RF

不安定な市場環境をしり目に、一部のテーマ型投資信託が大量の資金を集めている。人気化しているのは自動車やロボット関連株の投信。いずれのテーマも電気自動車(EV)シフトや自動運転の実用化、人手不足や少子高齢化対策など話題に事欠かない。確かに関連銘柄は中長期で利益成長が期待できるかもしれないが、こと投資信託となると話は違う。

■大手証券が1000億円単位で販売

表は今年1、2月に資金流入額(購入額-売却額)が大きかった投信だ。上位10本中5本を自動車関連とロボット関連のテーマ型が占めた。市場全体でみると、分配金の引き下げと相場下落を背景に資金流出が止まらない海外REIT(不動産投資信託)型の落ち込みを、これらテーマ型のファンドが埋めている格好だ。

このうち、「モビリティ・イノベーション・ファンド」(略称モビリティF)と「グローバルEV関連株ファンド」(同EV革命)は大手証券の専用ファンド。年初の設定にもかかわらず、1000億円単位の資金を集めた。大手証券の営業力には今さらながら驚かされるが、それだけテーマに関心を引かれる人々も多いのだろう。

EVや自動運転、ロボットの活用、さらに少し前に投信市場ではやったAI(人工知能)などは、社会や産業構造の変化を映した大きなテーマ。賞味期限は結構長く、株式市場でも折に触れて関心が向かう可能性はある。だが、こうしたテーマ型投信への投資は注意を払うべき点もある。

■組み入れ銘柄や業種には偏り

まず、組み入れ銘柄の業種に偏りがあることだ。ロボットも自動車も組み入れるのは機械や電機、情報通信など資本財とIT(情報技術)関連株が中心。これらの業種が上昇しているときはいいとして、分散ができていない分だけ、下落するときにはファンドが受けるダメージは大きくなる。

もう一つは投資対象となる銘柄のバリュエーション(投資価値の評価)が高くなりがちなことだ。いったんテーマ型がはやりだすと、運用会社は似たり寄ったりのファンドを設定するのが常。しかし、テーマが同じなので投資する銘柄は重なるし、同種の投信に資金が集まるほど同じ銘柄が集中的に買われる。

そもそも、テーマ型投信をおっとり刀で売り出す段階では、すでに関連銘柄は株式市場で人気になっているケースも多く、結果的に高値づかみになりかねない。

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